富士山の自然の価値を不当に貶(おとし)める
富士山の自然環境は素晴らしい。だから、何度でも訪れている。国立公園の先進地、北米の山や森になんら劣るところはない。この富士山の恵みを次の世代に引き継ぎたいと願っている。だが、度々紹介しているように、富士山の自然の価値を軽く見ている(場合によっては無視している)人が実に多い。
富士山の自然軽視の風潮は、世界文化遺産に登録されてから、良くなってきたとは思えない現実がある。富士山が世界文化遺産に登録された時、富士山にはもう世界自然遺産にする価値はなく、やむなく文化遺産に登録されたと理解した人もいたかもしれない。
「いや、そうじゃない」と声を上げた方がいる。火山研究で知られている小山真人さん(静岡大学教授)。
自然遺産候補「落選」の経緯や遺産登録基準と「落選」の理由を振り返り、最近、富士山の自然の価値を不当に貶める書籍やWebページが多数ある現状を嘆かれている。
そして、「現在の富士山における文化遺産の保全計画は、自然のプロセスを十分考えたり、エリア全体を保全する発想に乏しいため、富士山の自然は危機にさらされている。自然保護の意識と方策を高めた上で、複合遺産としての登録やジオパークの認定を目指すべきである」(注)と結ばれている。
(注)「富士山には世界自然遺産の価値がないのか」地質と調査、全地連、2014年第2号)
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