2018年5月10日 (木)

活動報告 2018-02 黒塚・須山口登山歩道環境パトロール

活動日時  2018年(平成30年)4月28日(土)9:30 - 13:30 
活動区域  水ヶ塚駐車場→涸沢出口→黒塚→須山口弁当場
天候     晴
       
参考     山頂(10時) 気温 -4.8゜C、湿度 17%、気圧 639.9hPa
 
 
 
 前日4月27日から富士宮口新五合目までのスカイラインが開通し、富士宮口八合目以上の斜面に数十人の来訪者が見えた。パトロール中は野鳥観察の来訪者3名に出会った。
 
 

 Img_20180428_004758
出発地の水ヶ塚駐車場には数十台の駐車
 
 
 水ヶ塚から弁当場までの須山口登山歩道では、御釜塚北東部の崩壊崖(図赤丸)が、2018年1月に比べて崩落が進んでいる。また、過去、大規模トレイルラン・レースに利用された歩道は、侵食が進んでいた。利用後に荒廃した歩道の補修に作られた丸太階段は、横木、縦杭とも腐り、不安定なものが目立った。
 
 
20180428mapss
赤線は今回のパトロール、黄線は2016年調査区間、赤丸は崩壊崖、背景は静岡県CS立体図
 
 
 
自然侵食の拡大と歩道施設(丸太階段など)の劣化
 須山口登山道周辺は、傾斜が急な地形、年間3,000mmを上回る多雨地帯で、冬の凍結融解やニホンジカの増加なども影響し、侵食が進んでいる。水源地周辺、涸沢周辺、御釜塚北東部では谷に面した斜面の崩落が進んでいる。
 
 
P1160318
水源地の下、歩道対岸斜面の侵食
 
 
P1160364
歩道が通る涸沢の斜面崩落

 
P1160412
御釜塚北東部、迂回路下の崩壊崖
 
 
 大規模トレイルランレースでコース利用された区間では、利用によって歩道表層が破壊され、レースに使用されなくなっても降雨などで侵食が進んだ。場所によっては裸地化したところもある。
 
 
P1160339
水源地の下、侵食によるホース露出
 
 
Img_20180428_013322
歩道表層の支持力を計測
 
 
 山中式土壌硬度計によれば、昨年8.3mmの地点は今年9.0mmといつも低い。こんなに支持力が低い歩道に、大規模トレイルラン・レースで大きな負荷をかけ、それを繰り返すことによって、公共の歩道が荒廃し、周辺の植生や小動物に影響がでた。やっかいなことに、歩道が一旦荒れると、レース利用しなくなっても、侵食が加速する。復旧作業に多くの人手がかかり、元の状態に戻すのは難しい。
 
 
P1160377
涸沢増水時に大勢のランナー滞留した跡
 
 
P1160389
大調整池水門、石垣脇の歩道の陥没

 
P1160391
同対岸歩道の陥没
 
 
P1160451
崩壊崖上の歩道、スリップ多発地点
 
 
P1160453
歩道脇、樹木根の露出
 
 
P1160459
フジバラ平、歩道の侵食
 
 
P1160477
複線化した歩道が繋がり、侵食も進んで裸地になる
 
 
P1160481
黒塚北東の斜面、コース跡の侵食
 
 
P1160500
黒塚北東の斜面、コース跡の樹木根露出
 
 
 崩落危険箇所の迂回や、歩道の補修の目的で設置された丸太階段は、降雨によって流されたり、腐ったりして不安定になってきた。、来訪者の通行に支障が出たり、安全への懸念を感じた。2014年に設置された丸太階段(御釜塚北東部)や2016年、2017年に設置された黒塚の丸太階段は、その耐用年数は短いもので1年、長いものでも3~4年だ。
 
 
P1160438
御釜塚北東部迂回路、丸太の腐れ
 
 
P1160440
同丸太階段周辺の激しい侵食と階段を避け新たに脇に踏み跡ができ複線化
 
 
P1160488
黒塚北東の斜面、侵食と樹木根露出地点
 
 
Img_20180428_034033
同地点の丸太階段、丸太の腐れ
 
 
P1160510
黒塚北斜面の丸太階段流出
 
 
P1160524
黒塚南斜面の丸太階段流出
 
 
P1160532
黒塚南斜面の丸太階段の腐れ
 
 
P1160538
黒塚南斜面、丸太階段の腐れと流出
 
 
 
歩道の管理作業
 水源地から御釜塚北東部までの歩道では、崩落した歩道の修復や、歩道脇の枯損木の処理、崩壊斜面のマーキングが見られた。自治体や地元保存会の御尽力だろう。ありがとうございます。
 
 
P1160306
水源地、配水管脇の歩道崩落箇所の補修
 
 
P1160316
水源地の下、崩壊部分のマーキング
 
 
P1160334
旧ゴルフ場東側、枯損木の処理
 
 
 
動植物の記録
 大調整池東側の造成斜面上の歩道や歩道周辺に、外来種のハルザキヤマガラシの開花がみられた。昨年4月28日の環境パトロールでは、まだ、開花は確認されず、今年は季節の進行が早い。ニホンジカによる樹皮はぎは、昨年見られた旧ゴルフ場東側では少なく、フジバラ平北側で少数見られた。
 
 
P1160379
大調整池東側、外来種ハルザキヤマガラシの開花
 
 
P1160456
フジバラ平北側、ニホンジカによる樹皮はぎ
 
 
P1160464
フジバラ平調整地周辺の新緑
 
 
 
ゴミの回収 40個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
1.紙 1 (7)紙片 1
2.布 1 (4)その他 1
3.プラスティック 22 (1)ペットボトル 2 (3)菓子容器 2 (5)破片 15 (6)その他 3
5.ビニール 11 (3)紐 8 (5)その他 3
6.鉄 5 (2)缶 5

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2018年2月14日 (水)

活動報告 2017-15 水ヶ塚周辺環境パトロール

活動日時  2018年(平成30年)2月10日(土)9:00 - 14:15 
活動区域  水ヶ塚駐車場→須山口1.5合→南山林道→水ヶ塚駐車場
天候     晴 水ヶ塚気温 -3℃(9時)
       
参考     山頂(9時) 気温 -14.4゜C、湿度 62%、気圧 634.2hPa
 
 
 
水ヶ塚周辺では、凡そ20cmの積雪。出会った来訪者は、スノーボードを担いだ人1人、ワカンを持った2人、スノーシューで歩行の3人。水ヶ塚駐車場東側の腰切塚にはソリ遊びを楽しむ家族連れ多数。スカイライン道路は除雪され、冬の積雪時も一定数の来訪者が富士山自然休養林を訪れている。
 
 
Dsc_0048
水ヶ塚駐車場、降雪から時間が経ち車の轍の雪は融けていた。
 
 
P1160060
須山口登山歩道の入口
 
 
P1160062
12月に熊が出没。富士山のツキノワグマは冬眠しないのかな?
 
 
 

 
 

P1010804
歩道は靴、ワカン、スノーシューで踏み固められていた。歩道周辺はスズタケが枯れたり、無くなっている。
  
 
P1100824
2008年2月の歩道。積雪でスズタケが歩道に覆いかぶさっていた。今のようになるとは。
 
 
Img_20180210_002521
人工林から自然林に変わる森の入口。スズタケはほとんど消え、見通しがよい。
 
 
P1010806
2012年12月の森の入口。
 
 
P1160086
2013年のトレイルランレース環境調査地点。その後の侵食で樹木の根の露出がさらに酷くなった。
 
 
 
 
 
P1160104
度々、環境パトロールで報告してきた歩道沿いの危険な枯損木(こそんぼく)は、管理者が対応し伐採処理されている。ありがたいことだ。今後の環境パトロールで歩道沿いに新たな枯損木が発生していないか注視していこう。
 
 
枯損木とは森の枯れた樹のこと。病害虫や酸性雨など様々な原因があるが、ここではニホンジカの食害が目立っている。スズタケの枯れや消失も関係しているという。ニホンジカは冬、草などの食料が無くなると、樹々の根際や樹皮を齧って食べ、ウラジロモミなど大木の樹皮が全周剥がされると数年で枯れ、枯損木となる。

知らずに下を通ると、大きな枝が落ちてきたり、幹が倒れたりしてケガをすることがある。
 
 
P1160168
歩道脇の樹木に「頭上注意」の表示されている。気づかないと大きな枯れ枝が落ちてきてケガをするかもしれない。
 
 
歩道沿いは管理者が落枝や倒木の危険がある枯損木を伐採してくれたり、注意喚起の掲示をしてくれたが、見通しのよい林内には、あちらこちらに枯損木が見える。

 
P1160067 
水ヶ塚周辺の森(l林内)には、雪の中に多数のシカミチがある。数十センチの雪なら行動できる。
 
 
Imgp0254
ニホンジカの糞もいたるところでお目にかかる。


水ヶ塚周辺を含めた富士山南麓には多数のニホンジカが生息している。林内にはその食害をうけ、枯れた樹々が多い。大きな枝が落ちてきたり、幹が倒れてくる場面に出会う可能性が低くはない。枯損木が多い林内の通過には、少なくともヘルメットは必須だ。

  

P1160164
歩いていくと、歩道を外れて林内に入り込む踏み跡がある。マーキングがついている。枯損木の危険があることを知らない人が、踏み跡をたどるかもしれない。アウトドア活動は自己責任とはいえ、心配だ。
 
 
P1160103
樹に残置されたかなり古いマーキングが解れている。


ゴミ回収 4

ビニール 3
プラスチック 1


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2018年1月28日 (日)

活動報告 2017-14 黒塚・須山口環境パトロール

活動日時  2018年(平成30年)1月21日(日)9:00 - 14:15 
活動区域  須山口弁当場→黒塚→涸沢出口→須山口弁当場
天候     晴
       
参考     山頂(9時) 気温 -15.4゜C、湿度 45%、気圧 630.7hPa
 
 
 
 2016年ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)の須山口登山歩道調査区間を環境パトロールし、大会実施16ヶ月後の状態を記録した。大規模トレイルラン・レースに利用された歩道は、利用後の歩道補修にかかわらず、侵食が進んでいた。また、御釜塚北東部の崩壊崖は崩落が進んでいる。
 
 
 20180121map1
(図 黄色の線は今回の環境パトロール背景は静岡県CS立体図)
 
 
 
調査区間⑦(別荘地東の鉄塔から、黒塚の上りにかかる鉄塔まで)

 歩道には落葉落枝が堆積しているが、土壌がむき出しの歩道では霜柱が見られ、凍結融解による侵食が進んでいる。トレイルラン・レースとの関係は無いが、舗装路からの入口にマーキングとして付けられたビニール紐が樹の幹に深く食い込んでいた。
 
 
P1150545
(区間⑦-1 ビニール紐が樹に食い込む )
 
 
P1150555
(区間⑦-2 霜柱、凍結融解による侵食)
 
 
 
調査区間③(黒塚鉄塔から、放射谷群南端まで上り斜面) [主催者追い越し禁止区間]
 2016年の大規模トレイルラン・レース後、昨年5月に主催者によって修復された丸太階段が、9箇所損傷していた。また、丸太下部面の侵食が大きい。土壌が比較的柔らかく、降雨量が多い急斜面に設置した丸太階段は、来訪者が少なくても(かかる負荷が小さくても)流されている。
 
 
P1150602
(区間③-1 丸太の流出)
 
 
P1150605
(区間③-2 丸太の流出と侵食)
 
 
 
調査区間④(放射谷群南端からフジバラ平まで主として下り斜面) [主催者追い越し禁止区間]

 放射谷の谷部では、2016年9月のレースの泥濘で倒れ、直後に修復された境界標識や石柱がまた傾いていた。歩道にかかる倒木もあった。平坦地の小沢では、4回のレース利用で歩道の拡幅、複線化が起こり、植生が裸地化した所で侵食が進んだ。
 
 
P1150665
(区間④-1 倒木が歩道を塞ぐ)
 
 
P1150666
(区間④-2 境界標識、石柱が傾く)
 
 
P1150683
(区間④-3 丸太階段や樹木根周辺の侵食)
 
 
P1150704
(区間④-4 裸地化して侵食が進む小沢)
 
 
 
調査区間⑤(フジバラ平から崩壊崖の狭い歩道まで) [主催者追い越し禁止区間]

 5回連続使用されたこの区間は、2016年の大規模トレイルラン・レースでは、緩傾斜地でも歩道の土壌表層破壊(エグレ)、泥濘化、拡幅、複線化が見られ、植生損傷も著しかった。その後の降雨や冬シーズンの雨や凍結融解の繰り返しによる侵食が進んでいる。
 
 
P1150750
(区間⑤-2 侵食が進む歩道)
 
 
P1150769
(区間⑤-3 スリップ多発地点)
 
 
P1150789
(区間⑤-4 崩落崖の迂回路。丸太階段や階段外の通過による侵食が目立ってきた)
 
 

 側火山、御釜塚の北東部にある崩壊崖で崩落が進んでいる。崩壊崖の直ぐ上に歩道があったが、危険なため通行止めとなり、新たに斜面の上に迂回路が作られた。この迂回路も侵食が進んでいる。対岸から見ると、2013年11月に比べて崩落が進んでいる。さらに大きな崩落にならないように、専門家による調査・対応をお願いします。
 
 
P1150869
(2018/1/21 対岸からの崩壊崖、落差は約20m。2013年の写真と比べ、崩落が進んでいる様子が分かる)
 
 
P1050649
(2013/11/2 同崩壊崖、斜面下部に堆積)
 

P1160006
(2018/1/21 崩壊崖上部の層では、穴から地下水が流れ出したように見える) 
 
 
 
野生動物通過の記録
 2016年9月から2017年9月までの御釜塚北東部の歩道を通過した野生動物は、約500だった。その9割はニホンジカ。ついでニホンアナグマ、キツネ、テン、ノウサギ、イノシシが記録された。
 
 
Animal2016
 
 
Img_0309
(ニホンジカ オスの成獣)
 
 
Img_1559
(生後間もないニホンジカ)
 
 
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(ニホンアナグマ)
 
 
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(イノシシ)
 
 
 生き物調査のカメラに単独あるいはグループのマウテンバイク来訪者が記録されていた。修復が済んでいない軟弱な須山口登山歩道の崩壊崖上の狭い歩道では、他の来訪者の安全、さらに離合時に植生へ踏み出すなど課題が多い。こうした歩道へのマウンテンバイク乗り入れを控えていただければありがたい。 
 
 
 
 侵食がすすむ歩道周辺の冬景色は殺風景だが、よく見ると、キノコやコケ類、地衣類など、冬でもなかなか楽しい。フジバラ平調整池の氷の厚さも新たな発見だ。

 
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P1150730

 
 
 
ゴミ回収 61個 
 英語表記のゴミが一箇所にかたまって残置されていた。
 
 
Dsc_0030
 
 
Photo


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2017年10月 5日 (木)

活動報告 2017-12 頂上お鉢めぐり環境パトロール

活動日時  2017年(平成29年)9月26日(火)5:00 - 17:00 
活動区域  富士宮口登山道・頂上お鉢めぐり・御殿場口登山道・宝永火口・富士宮口
天候     晴
参考     山頂(12時) 気温 0.4℃、湿度75%、646.7hPa
        河口湖上空4km(12時) WNW, 9m/s 
 
 
 
 閉山後の富士宮口登山道と山頂、御殿場口上部、宝永火口を環境パトロールした。登山口で登山計画書を富士宮警察署宛に提出した。また、携帯トイレを持参し使用した。パトロール中はヘルメットを着用した。天候は良かったが平日とあって、出会った登山者は登り降りで数十名程度だった。
 
 
 
野外排泄跡
 富士宮口登山道、環境省頂上公衆トイレ周辺、御殿場口頂上小屋周辺、八合目小屋跡で野外排泄跡を確認した。9月10日の閉山以降も、9月中は2回の連休があり、天候が安定すれば一定数の来訪者はある。富士宮口六合目の小屋を出て山頂を目指せば、トイレは無い。排泄は当たり前のことだから、携帯トイレの持参、持ち帰りが必要だ。標高が高ければ分解も遅れ、さらに排泄物を石で隠し、後々まで残る。
 
 
20170926toilet
(図 2014年以降の野外排泄の跡 紫丸は野外排泄確認跡。ピンク線は今回の環境パトロール・コース)
 
 
Dsc_0077
(富士宮口新六合・七合間)
 
 
Img_20170925_221714
(富士宮口七合・八合間)
 
 
Img_20170926_000631
(富士宮口九合五勺小屋脇)
 
 
Dsc_0090
(富士宮口頂上公衆トイレ脇 西側)
 
 
Img_20170926_033722
(頂上お鉢めぐり歩道 銀明水西側)
 
 
Img_20170926_045642
(御殿場口八合小屋跡脇)
 
  閉山後の登山者には、携帯トイレの持参を推奨することや登山口での回収設備の設置期間延長が望まれる。また、夏山シーズンにおいても、登山者が集中するため、時間帯によってはトイレを長時間待たされる事態も発生し、お鉢巡り道周辺で野外排泄がみられる。御殿場ルートや宝永山などトイレが使用できない場所もあり、富士山には、年間を通じた携帯トイレの持参、持ち帰りが、衛生環境や景観上、現実的で効果的な解決策ではないだろうか。
 
 
 
頂上周辺の崩壊状況
 頂上剣ヶ峰の火口側(東側)の崩壊が進んでいる。剣ヶ峰周辺の地質図によれば、幾層もの噴火期が異なる噴火物が積み重なっており、その東端が順次崩壊しているように見える。旧測候所東側の大岩は、計測装置を使って崩壊状況がモニターされているようだ。旧測候所北東側では、崩壊した岩がお鉢めぐり歩道を覆っていたが、通行は可能だった。 また、御殿場口頂上周辺でも噴火物層の落石が懸念される。登山者の方は、ヘルメットの着用を勧めます。
 
 
20170926csmap
(図 頂上の地質図と静岡県CS立体図の合成図  ピンク線はお鉢めぐりのパトロールコース)
 
 
Dsc_0103
(2017/9/26 剣ヶ峰南東側、巨岩の崩壊)
 
 
Scan21
(1990/8/5 27年前の同地点)
 
 
Dsc_0134
( 崩落が心配される旧測候所東側の巨岩)
 
 
Img_20170926_021422
(旧測候所北東側のお鉢めぐり歩道への崩落)
 
 
Img_20170926_041054
(御殿場口頂上東側の噴火物層崩壊)
 
 
 
剣ヶ峰旧測候所展望台立入禁止の継続
 2010年夏までは、庁舎北側に手狭だが、日本最高峰からの景観を楽しめる展望台があった。2011年9月には、その展望台への入り口にロープが張られた。その後7年間、一般の来訪者は、富士山剣が峰から西側の絶景を展望することはできない。富士山測候所は、人による通年観測を止め、自動化観測所と位置づけられた。気象庁は自動観測化で必要性が低くなった庁舎部分を撤去し、来訪者が最高点からの雄大な日本アルプス(南アルプス、中央アルプス、北アルプス)の展望を楽しめるように配慮してほしい。
 
 
Imgp0083
(2017/9/26 今回も庁舎北側の展望台立入禁止)
 
 
P1140431
(2010/7/20展望台への案内標識)
 
 
Img_4416
(2004/10/16 展望台から北アルプス、南アルプス)
 
 
Img_4417
(2004/10/16 南アルプス、中央アルプス、御嶽山)
 
 
Img_4411
(2004/10/16 南アルプス南部)
 
 
 
頂上のコケ類
 富士山頂のコケは、増沢先生によって「永久凍土が育てる小さな『森』」(富士山2005、山と渓谷)として美しい写真とともに紹介され、山頂にも緑豊かな「森」があることが知られるようになった。冬の低温、強風、乾燥した極限の世界でも生息するその強靭な生命力に感動さえ覚える。永久凍土が育てるコケの群落は、長い時間をかけて頂上にたどり着いた来訪者へ最高の恵だ。また、剣ヶ峰周辺では、南極でよく見られるコケとラン藻の共生など観察され、富士山頂は南極と同じような環境が存在する特別な場所だと思う。富士山の概ね標高2,500m以上は、国立公園内でも厳正な保護を図るエリアである特別保護地区に指定されている。

 それほど保護に特別な注意が払われている極限環境に生育するコケ類に2010年以降変化が見られるようになった。とりわけ、剣ヶ峰周辺、なかでも、旧測候所周辺のコケ群落が枯れている。旧測候所の北東側では、2005年以降、特に、2010年ごろから、岩の下部を中心にコケ類が枯れ、被植が減ってきたようだ。
 
 
Dsc_0141all
(2017/9/26 継続観察している岩の全景)
 
 
Dsc_0141
(2017/9/26 岩の下部が枯れ)
 
 
Img_7126
(2005/7/2 観察し始めた頃コケ)
 
 
 剣ヶ峰旧測候所入口の階段脇もコケ類の衰退が目立つようになった。
 
 
Dsc_0137
(2017/9/26)
 
 
P1000222
(2012/8/22 同地点)
 
 
 一方、私達が度々見ている他の地点(来訪者の多い御殿場口頂上・富士宮頂上間)のコケ類の多くは、剣ヶ峰周辺のコケ類に比べ、それほどの衰退は感じられない。
 
 
Img_20170926_033541
(2017/9/26 銀名水西側、お鉢めぐり道沿いのコケ類)
 
 
Img_20170926_033715
(同)
 
 
 
頂上の維管束植物
 維管束植物とは、菌類、藻類、コケ類などとは異なり、維管束と呼ばれる通道組織を有する植物の総称。具体的には、シダ植物および種子植物(裸子植物、被子植物)をいう。過去には、富士山頂のような上部高山帯には生息しないとされてきたが、山頂での維管束植物は、コタヌキラン、イワツメクサなどが確認されている(増沢武弘「富士山頂の自然」静岡県、2002年)。
 
 
 今回の環境パトロールでは、山頂火口の西側で、コタヌキランやイワノガリヤスをみた。2005年7月の環境パトロール時に緑色の維管束植物を写真記録していた。
 
 
 温暖化の影響で富士山頂でも維管束植物が生息できる環境が整ってきたということは確かだと思う。では、どんな形で、これらの維管束植物が侵入してきたのだろう。よく分からない事が多い。今後も見守っていきたい。
 
 
Img_20170926_022157
(2017/9/26 コタヌキラン)
 
 
Img_20170926_022710
(2017/9/26 イワノガリヤス)
 
 
Img_7429
(2005/7/17 コタヌキランと思われる植物)
 
 
 
ゴミ回収 103個 (ゴミ収集記録調査票に対応)
 
 
Gomi
 
 
Gomi_graph_c


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2017年9月29日 (金)

活動報告 2017-11 御殿場口合同環境パトロール

活動日時  2017年(平成29年)9月23日(土)8:30 - 13:30 
活動区域  御殿場口新五合目→幕岩→二ツ塚→大石茶屋→御殿場口新五合目
天候     曇り/晴
参考     山頂(9時) 気温 3.1℃、湿度100%、647.0hPa
        舘野上空4.4km 14m/s、245°(9時)
 
 
 
 夏山シーズンを終えた御殿場口周辺の合同環境パトロールに参加した。
 
 
 Img2017092814365424
 (地質図 御殿場口 合同環境パトロールコース)
 
 
 
 御殿場口新五合目の第一駐車場は、夏山シーズン中は一般車両が駐車禁止となっていたが、閉山後はトレイルステーションが撤去され、一般車両も利用可能となっていた。第一駐車場が利用可能となると、一般来訪者のトイレへのアクセスが容易となり利便性が向上する。
 
 
Dsc_0002
(静かな御殿場口第一駐車場)
 
 
 
  樹林帯を通る御殿場口新五合目・幕岩間は歩きやすいが、歩道複線化区間がある。団体の来訪者も多く、ガイドロープなどによる複線化対策をして、歩道周辺の植生保全を進めてほしい。
 
 
Img_20170923_000846
(複線化し根が露出している歩道) 
 
 
 
 歩道周辺では、イノシシと思われる根の掘り返しが目立った。また、ニホンジカによると思われる樹皮はぎも数か所見られた。
 
 
 
Imgp0050
(イノシシと思われる掘り返し)
 
 
Img_20170923_003418
(ニホンジカによる樹皮はぎ。樹木はミズキ)
 
 
 
 幕岩南の砂沢右岸斜面は、毎年、崩壊が進み樹木が倒壊している。地質図を見ると、この崩壊斜面は二ツ塚噴出物を幕岩噴出物が被う境界となっており、地質的にも今後も崩壊が進むと思われる。
 
 
Dsc_0006
(砂沢右岸の崩壊斜面)
 
 
20170923makuiwamap
(幕岩周辺の地質図、CS立体図)
 
 
 
 幕岩では砂沢上流の宝永噴火(1707年)の降下火砕物がスラッシュ雪崩で堆積したり、降雨によってさらに下流へと降下火砕物の運搬が繰り返されている。この数年、堆積物は少ない。
 
 
Img_4241
(幕岩2004/10/10 樹木が多く見られる) 
 
 
P1040464
(幕岩 2007/4/14 スラッシュ雪崩で堆積)
 
 
Dsc_0014
(幕岩 2017/9/23 斜面の樹木成長) 
 
 
 
 二ツ塚下塚「下双子山」から二ツ塚上塚「上双子山」を望むと、2006年夏にくらべてパッチ上の植生は増加しているようだ。鞍部から上双子山頂上へ直線的に向かう轍の痕(オフロード車の通過痕)は明瞭なままだ。
 
 
Dsc_0027
(2017/9/23 上双子山 パッチ植生増加)
 
 
P1110299
(2008/6/7 同上双子山)
 
 
Dsc_0023
(2017/9/23  部から上双子山頂上へ直線的に向かう轍の痕は回復していない)
 
 
 
 
 思っていたより多様な自然環境の御殿場口周辺をパトロールして皆笑顔。
 

Dsc_0034
(下双子山にて)
 
 
 
ゴミ回収 15個 (ゴミ収集記録(調査票に対応)
1.紙 4         (2)菓子容器 1 (5)タバコ吸殻 3
2.布 1         (1)衣類 1           
3.プラスティック 2   (3)菓子容器 2
5.ビニール 7     (3)紐 5 (3)破片 2
6.鉄 1         (7)その他 プルトップ 1


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2017年8月24日 (木)

活動報告 2017-07 須走口合同環境パトロール

活動日時  2017年(平成29年)8月19日(土)9:00 - 12:00 
活動区域  須走口多目的広場→須走口五合目周辺→須走口多目的広場
天候     曇り
参考     山頂(8時) 気温 4.3゜C、日照時間 0.0h、湿度100%、648.8hPa
 

シャトルバスでのマナー伝達
 
 夏山シーズンの富士山では、マイカー規制が行われている。シャトルバスへの乗り換え駐車場(標高850m)から、須走口五合目(標高1967m)まで、エコサポーターの二人とともに乗車。マナー伝達活動(説明)を約10分間行った。シャトルバスを運行している富士急さんには毎年ご協力いただいている。9時出発のバスには約20名の来訪者が乗車した。発車前に、希望者へ静岡県作成の「マナーガイドブック」を配布した。
 
 
Photo
静岡県自然保護課作成のマナーガイドブックはダウンロードして入手できる。日本語・英語版、中国語(簡体字)版、中国語(繁体字)版、韓国語版、ポルトガル語版がある。


 マナーガイドブックは登山に役立つ情報や自然環境保全に有用なマナー、ルールがコンパクトにまとめられている。、高山病予防の為、五合目到着後、直ぐに登らず、1~2時間体を慣らすようにし、その間にマナーガイドブックに目を通してもらえたら、ありがたい。
 
 
 シャトルバス内では、マナーガイドブックをもとに、自然環境が豊かで樹林帯が続き、登山道から日の出を体験できる須走ルートの概要を説明した。また、この登山道には、既に外来種のセイヨウタンポポが多く見られ、生態系に悪影響があるので、更なる持ち込みを防ぐため、登山口に設置されている外来種侵入防止マットの使用をお願いした。
 

 当日は今夏最後の混雑日で、特に吉田口と合流する本八合目以上は、午前2時から午前8時まで渋滞し、時間がかかり混雑が予想されている。落石の危険もあるので、登山道を外れないようお願いした。山頂並びに五合目の最新気象情報と予報を伝えた。その他、ゴミの持ち帰りや、トイレでの休憩、仮眠はしないようお願いした。
 
 
 
須走口五合目の外来種侵入防止マット
 
 富士宮口新五合目や水ヶ塚駐車場と同様に、須走口五合目にも外来種の侵入防止マットとブラシが設置されている。このマットやブラシは来訪者の外来種持ち込みに対して、水際で有効な対策だ。隣接した協力金のデスクの担当者が、「落ちた土は回収して、発芽させ、どんな植物の実生か調べている」と教えてくれた。
 
 
Img_20170819_020038
 
 
  通過する来訪者を見ていると、注意が協力金デスクに向けられ、マットの存在すら気づかずに通過する人が多い。次の写真のように、丁寧にマットやブラシを使った方がより効果が期待できる。
 
 
Img_20170819_020222
 
 
 
小富士コース
 
 小富士コースでは、以前から部分的にコメツガなどの樹木根が露出している。歩道法面(横断面の上部斜面)の侵食が進んだり、 歩道下側斜面に流出した土壌が堆積している。樹木根の損傷や歩道複線化が見られた。
 
 
Img_20170819_021942
歩道の法面、斜面上側の侵食で樹木根露出、損傷
 
 
Img_20170819_024847
歩道の下側斜面では流出土壌が堆積
 
 
Img_20170819_021916
樹木根の損傷
 
 
Img_20170819_022252
樹木根の損傷と歩道の複線化
 
 
 樹林帯を抜け出たところに出現する小富士は不思議な場所だ。火口跡が分からず、側火山なのか確証がない。昭和期の地質学者、津屋弘逵さんは、小富士を寄生火山(側火山)として認め、次のように記している。

「また噴石丘としての原型がもっともひどく失われた寄生火山は須走口二・五合にある小富士である。(略)その頂上にもとの火口の跡らしい浅い凹地があり、付近に多数の火山弾が散在するので、寄生火山の残部であることはたしかで、筆者はもっと古い時代のものではないかという疑問をもつ。その火山弾は富士山のほかの火口からの噴出物とはまったく違う岩質のものが多く、むしろ古富士の凝灰角礫岩中の岩片に似るものがあるからである」(『富士山 富士山総合学術調査報告書』,1971年)
 
 昨年刊行された「富士火山地質図(第2版)」では、小富士周辺は約10万年前から約1万5千年前の未区分星山(ほしやま)期噴出物とされている。つまり、「小富士」は津屋さんがいう「古富士の一部」であり、現在の火山体(新富士)から突出している部分と考えられる。航空レーザ計測データから作成した微地形表現図、「静岡県CS立体図」(1mメッシュ)では、頂上にもとの火口の跡らしい浅い凹地は確認できない。
 
 
20170819kofuji
小富士付近。「富士火山地質図(第2版)」と「静岡県CS立体図」を合成
 
 
 津屋さんの調査から数十年の経過で、さらに原型がひどく失われたのかもしれない。来訪者の増加と、小富士の山頂手前にある、富士山の自然環境には不似合いな大きな石積み(津屋さんが言う多数の火山弾を集めてきたケルン?)も気になるところだ。

 
  小富士の山頂付近に、比較的広い(直径約10m程度)植生パッチがある。周囲をロープで囲んだそのパッチで、ナナカマド、ゴヨウマツ、カラマツ、ミヤマヤナギ、ミヤマハンノキ、コメツガ、キオン、ハナヒリノキ、カリヤスモドキ、ミヤマニンジン、アキノキリンソウ、コタヌキラン、シロバナヘビイチゴ、シモツケを観察した。この大きなパッチ以外には、大きくても直径1m程度の植生パッチが若干数見られた。大切にしていきたい。
 
 
Img_20170819_023350
小富士山頂付近の植生パッチ

 

 今日も、富士山エコレンジャーやエコサポーターの仲間と自然環境保全のボランティア活動に楽しく取り組んだ。

Img_20170819_023902

 
 

ゴミ回収 3個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
1.紙 2     (7)紙片 2
8.布 1     (4)その他 1


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2017年8月 8日 (火)

活動報告 2017-06 日沢の侵食が進む

活動日時  2017年(平成29年)8月3日(木)8:00 - 16:00 
活動区域  高鉢→宝永遊歩道→御殿庭→ガラン沢→高鉢
天候     小雨
参考     山頂(8時) 気温 6.6゜C、日照時間 1.0h、湿度91%、648.1hPa
 
 
 
 富士山南麓は宝永火口や黒塚など数多くの側火山があり、崩れやすい。
 
 
Img20170807080227529
富士山南麓の側火山群 火山土地条件図 黄色の線は今回の環境パトロール・コース
 
 
 
 富士市と富士宮市との境界近くを下る日沢の侵食が進んでいる。7月8日の合同活動・研修の環境パトロール時に、宝永遊歩道を横断する(標高2,495m、2,370m)日沢の様子を見たとき、例年以上に侵食が進んでいた。

P1140411
2017/7/8 上部宝永遊歩道、標高2,495m

 

P1140413
同地点 日沢上流方向
 
 
 
P1140412
同地点 日沢下流方向
 
 
 
P1140442
2017/7/8 下部宝永遊歩道、標高2,370mから上流方向
 
 

Imgp5132
2017/8/3 同地点から見下ろした日沢
 
 
 
Img_7278
同地点 2005/7/10
 
 
 
 標高2,000m付近の歩道が日沢を横断する地点でも岩が流され、土砂が堆積している。
 
 
 
Imgp5065
2017/8/3 標高2,000m付近の日沢
 
 
 
P1040556
同地点 2011/6/7
 
 
 
Imgp5073
2017/8/3 日沢横断地点から下流方向、岩が流出し、土石が堆積している。
 
 
 
P1050609
2007/6/9 同地点から下流方向。スラッシュ雪崩のときは、周囲の樹々もなぎ倒している。
 
 
 
Imgp5068
2017/8/3 同地点 親切に注意掲示があったが、上流の岩棚など不明確で迷った。
 
 
 
Imgp5067
2017/8/3 同地点 周囲に多数のテープ・マーキング。意図が分かりづらい。
 
 
 

 標高1700m付近でガラン沢ハイキング・コースが日沢を横切る地点でも土石流の影響が見られた。
 
 
 
Imgp5193
2017/8/3 ガラン沢コースが横断する日沢上流方向
 
 

Imgp5194
同 東方向
 
 
 

 小雨の中の環境パトロールでも、菌類やギンリョウソウが愉しませてくれた。
 
 
 
Imgp0009
 
 
 
Imgp0023
 
 
 
Imgp0027
 
 
 
Imgp0014
 
 
 
 
 
ゴミ回収 125個 (ゴミ収集記録(調査票に対応)
2.布 5        (4)その他 5           
3.プラスティック 6  (3)菓子容器 2 (5)破片 4
5.ビニール 111   (3)紐 111
6.鉄 3        (2)アルミ飲料缶 3


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2017年7月23日 (日)

活動報告 2017-05 富士山南麓側火山エリアの環境パトロール

活動日時  2017年(平成29年)7月15日(土)8:30 - 17:00 
活動区域  水ヶ塚→御胎内→御殿庭上(宝永第三火口)→御殿庭下→水ヶ塚
天候     晴
参考     山頂(8時) 気温 10.9゜C、日照時間 1.0h、湿度8%、651.9hPa
       

 夏山開山後の富士山自然休養林を仲間の富士山エコレンジャーと環境パトロールした。富士山南麓は宝永火口や黒塚など数多くの側火山があり、その歩道や周辺は変化に富んだ自然環境の反面、崩れやすく、今回の環境パトロールでも、歩道の拡幅、複線化、樹木根の損傷など荒廃箇所が多かった。
 
 
201707115map
(図 歩道荒廃箇所 地理院地図 青色の線は今回の環境パトロール・コース)
 
 
 
201707153
(図 富士山南麓の側火山群 火山土地条件図 黄色の線は今回の環境パトロール・コース)
 
 
 
 
須山口下山歩道の水ヶ塚・御胎内区間

 須山口登山道入口には、外来種防除マットが置かれており、行き帰りに靴についた種子を取り払った。入口のミズナラは、まだ、実が小さく観察できない。不作なら秋のツキノワグマの行動に影響が出るかもしれない。
 
 
P1140473
(須山口登山道入口に置かれた外来種防除マット)
 
 
 
P1140477
(入口のミズナラ、実は確認できなかった)
 
 
 
P1140483
(人慣れして逃げないニホンジカ) 
 
 
 
P1140485
(富士山麓西側に多いイラモミ)
 
 
 
 
須山口下山歩道の御胎内・幕岩上区間(世界遺産)
 
 世界遺産に登録された御胎内から幕岩上までの区間で歩道の荒廃が顕著だ。歩道の侵食が酷く、荒廃部分を避けるためか、複線化している箇所が多い。複線化により登山道の経路が変化している。トレイルランナー二人に出あった。
 
 
①歩道荒廃 侵食と複線化 (ルート図で位置を示す)
 
P1140502
(通過しづらい東側の歩道を避け西側に新たな踏跡)
 
 
 
P1140507
(西側の歩きにくい土留木道を避け東側に新たな歩道)
 
 
②歩道荒廃 侵食と複線化 この部分は2013年のUTMFで、1,800人のランナーが通過し荒廃した。
 
P1140526
(現状 須山口下山歩道1.5合 複線化部分の樹木根の損傷)
 
 
P1030822
(同地点 2013/8撮影 UTMF2013で通過。直進し複線化した歩道の4ヶ月後 )
 
 
 
P1140536
(複線化部分の路肩が崩れる)
 
 

P1140554
(歩行者の右側が本来の歩道。新たに直進の歩道ができ複線化)
 
 
 
P1140545
(現状 侵食が進み根の損傷が酷い)
 
 
P1030847
(同地点 2013/8撮影 UTMF2013実施4ヶ月後)
 
 
 
P1140567
(現状 UTMF2013で直進し、複線化した場所の根損傷)
 
 
P1030862
(同地点 2013/8撮影 UTMF2013で直進し複線化した4ヶ月後)
 
 
 
P1140571
(歩道拡幅と樹木根の露出・損傷)
 
 
 
 
自然休養林ハイキングコース(H)の三辻・御殿庭入口・御殿庭上(宝永第三火口)区間
 
 この区間も元々の歩道は侵食が進み、それを避けて複線化がみられる。また、歩道の拡幅、樹木根の露出・損傷も見られる。

 「御殿庭」は、風衝樹形のカラマツやコケモモが咲き乱れる自然の庭園として親しまれている。しかし、宝永第三火口脇の御殿庭上には、大きな石に「ごてんにわ」と白いペンキで無造作に書かれた跡が今も残り、折角の自然景観を損ねている。また、宝永第三火口底の樹木は11年の歳月とともに成長している。
 
 
③歩道荒廃
 
P1140613
(歩道の侵食と複線化)
 
 
 
P1140614
(侵食と樹木根の露出・損傷)
 
 
 
P1140619
(現状 手前は手書き標識、第三火口底の樹木は成長)
 
 
P1010642
(同地点 2006/9撮影 )
 
 
 
 御殿庭上で休憩中、続々とトレイルランナーが登ってきた。その数およそ20人。休憩中の会話では、宝永山まで行くらしい。休憩後、傾斜地のずり落ちやすい歩道を走ったり、歩いたりしながら、集団でさらに登っていった。先頭は、UTMF実行委員会委員長の鏑木さんだ。トレイラン教室のようだ。今見てきたように、荒廃がひどいこの区間では、トレイルランの集団走行は歩道への影響が懸念される。
 
 
 
P1140624
(続々と現れたトレイル・ランナー 御殿庭上)
 
 
 
P1140643
(鏑木さんを先頭に走るトレイルラン集団)
 
 
 
 
須山口登山歩道の御殿庭中・御殿庭下・1.5合目区間
 
 この区間は、富士山休養林ハイキングマップに『注意! 雨水などの影響により路面がえぐれています。十分にご注意ください』と記載されているように、火山堆積物上の土壌層は浅く、自然侵食の速度が著しい。また、過去に、500人規模のガイドレス・ハイキング・ツアーなどが行われたこともあり、人為的影響も大きいと懸念される。
 
 
④歩道荒廃
 
P1140704
(現状 自然侵食が進み、侵食箇所が拡がった)
 
 
P1040912
(同地点 2013/8撮影)
 
 
P1000612
(同地点 2012/9撮影)
 
 
 
P1040382
(同地点 2011/5撮影)
 
 
 
P1140693
(現状 規制ロープを付け替え西側へ誘導)
 
 
 
P1010096
(同地点 2011/9撮影 ロープに沿い樹木根を損傷)
 
 
 
 御殿庭周辺では、過去、各種団体による独自の標識が乱立し、私的なマーキングが数多く見られが、2011年、自然休養林保護管理協議会により地名や表示が統一され、公共標識が設置された。分岐やビュー・ポイントには標識や案内板があり、補助標識も多い。
 
 しかし、御殿庭入口から須山口登山歩道1.5合目区間では、相変わらず、ビニールテープやPPテープなどの私的なマーキングが数メートル間隔で異常に多く付けられたり、ご丁寧に公共標識にまで私的なマーキングが付けられていた。誰が何のために付けたか分らない私的なマーキングは、来訪者を登山道外の場所へ誘導し安全を損ねたり、歩道の複線化を促す場合もある。赤やピンクやキラキラ光るテープは自然の景観を台無しにするときがある。また、PPテープが解(ほつ)れて樹木の枝を損傷したり、幹に食い込んだり、野鳥など生態系への悪影響がある。
 
 現在は標識が整い、踏み跡もしっかりしている歩道に私的なマーキングをつける理由が分らない。何らかのイベント・コース用かもしれない。出会った来訪者の方と会話してみた。「私的なマーキングは安全のために、必要ではないか?」という方がいたので、「どこへ誘導しているのか分からず、連絡先も無いようなマーキングは、最近、話題になっている須走口の登山道外へ誘導するペンキの矢印と同様に、安全を損なう恐れがある。生態系への影響もある」と説明し、納得いただいた。


P1140714
(解れて枝に絡みつく私的マーキング)
 
 
 
P1140716
(ビニール・テープが幹に食い込んでいる)
 
 
 
 
須山口登山歩道の1.5合目・水ヶ塚区間
 
 5年前と比べて、遊歩道周辺のスズタケがほとんど無くなり、見通しの良い森となった。ニホンジカの樹皮はぎによって枯れた、ウラジロモミなどの危険な大径木(枯損木)は、調査に基づき、2年前に伐倒されている。
 
 
P1140732
(現状 切り倒されたウラジロモミ。見通しが良い)
 
 
P1000415
 (同地点 2012/9撮影 スズタケで見通せない)
 
 
 
 この区間は2013年のUTMFで使用された。国有林内の歩道や複線化部分を約1,800人のランナーが通過し、荒廃地点が確認されている。この富士山南麓特有の脆弱な環境では、一旦荒廃すると歩道の侵食が驚くほど早く進行していることを痛感した。
 
 
P1140741
(現状 土壌侵食と踏み着けで根が浮き上がり、損傷)
 
 
P1040883
(同地点 2013/8撮影 UTMF通過4ヶ月後)
 
 
 
 2013年の私達の環境調査地点では、複線部分の荒廃箇所が崩れ、樹木が倒れた。
 
 
 

(4年間の経過) 
 
 
P1140760
(現状 UTMF2013の私達の調査地点)
 
 
P1030171
(同地点 2013/4撮影 UTMF右側複線部分の通過直後)
 
 
 
P1140771
(現状 写真上の奥の斜めに倒れている木の根本)
 
 
 
P1040860
(同地点 2013/8撮影 UTMF通過4ヶ月後)
 
 
 
 
ゴミ回収 441個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
 
1.紙 4          (5)タバコ吸殻 1 (7)紙片 3
2.布 4          (3)切れ端 1 (4)その他 3           
3.プラスティック 20   (1)ペットボトル 2 (3)菓子容器 9 (5)破片 8 (6)その他 1
5.ビニール 408    (3)紐 408
6.鉄 2          (2)飲料缶 2
7.ガラス 1       (3)破片 1
8.ゴム 2        (3)加工付属品 1  (5)その他 1


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2017年7月11日 (火)

活動報告 2017-04 富士宮口合同環境パトロール

活動日時  2017年(平成29年)7月8日(土)9:00 - 13:30 
活動区域  富士宮口五合目→富士宮口六合目→宝永第一火口→富士宮口五合目
天候     曇り
参考     山頂(10時) 気温 8.4゜C、日照時間 1.0h、湿度51%、649.9hPa
        河口湖上空3km NNW 4m/s(9時)
 
 
 
 梅雨の晴れ間の富士山。夏山シーズン到来。
 
P1140389
(南東側の御殿場市より)
 
 
 
 この時期、静岡県側の富士宮口では、マイカー規制直前の休日は来訪者が多く、今年も駐車場をあふれた車が多い。
 

P1140400
(午前10時前で富士宮口新五合目のループから約1300mの道路)
 
 
 
 夏山の準備は着々と進んでいる。昨年から整備された外来種の侵入防止マットも、バス乗り場や、登山口に置かれている。一週間に一度は、落とされた"種"を回収するそうだ。
 
 
P1140403
(外来種の侵入防止マット)
 
 
 
 今年は自然の侵食が目立つ。思わぬ所で影響が出てくるかもしれない。
 
 
P1140411
(新六合目から宝永火口へ向かう途中。日沢)
 
 
 
P1140416
(宝永第一火口から第二火口への斜面。ガリーが発達したように見える)
 
 
P1100029
(同地点、昨年、2016年9月)
 
 
P1140421
(宝永第一火口底へ向かい、間近で眺める。確かに深い)
 
 

 出会った来訪者二組に「宝永第一火口で、今日、落石があった」と教えてもらった。落石は噴火丘まで来たそうだ。ロープを越えて近づくのは危険。宝永火口の落石を体験した人は、決して入り込まない。
 
  
P1140427
 
 
 
 休憩場所近くに野外排泄の跡がある。宝永山周辺でもみかける。付近にトイレはない。計画的に小屋のトイレで用を足し、携帯トイレを持参しよう。
 
 
P1140423
(野外排泄の跡) 
 
 
 昨年と同様、宝永火口から新五合目へ抜ける宝永遊歩道には「クマに注意}の掲示がある。一般的には標高2,400m付近はツキノワグマの生息域とは思えないが、生態系が変化しているのかもしれない。注意するに越したことはない。
 
 
P1140435
(「クマに注意}の掲示)
 
 
 
 ここは人気のコースで来訪者が耐えない。遊歩道の複線化や損傷の補修が追いつかない。歩道路面の凹凸に注意したい。ストックには必ずキャップをして、植生や路面を守ろう。
 
 

P1140440
(どこが歩道か不明瞭な複線化)
 
 
P1140445
(樹木の根が損傷し、路面もあれている)
 
 

 マナーガイド『富士山へ登る人のために』(日本語、英語、ポルトガル語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)に対応)が六合目レストハウスに置いてあった。ネットで検索すれば、事前にダウンロードできる。各登山ルートの所要時間や山小屋の電話番号、いざという時の連絡先も紹介している。シャトルバスで新五合目(標高約2,400m)に到着したら、直ぐに登らず、1、2時間、身体を高度に慣らしたほうがよい。そんなとき、一読してほしい。
 
 
Photo
(マナーガイド『富士山へ登る人のために』)
 
 
 今年は「登山道の混雑情報」もある。詳しくは富士登山オフィシャルサイトで。混雑する時期、時間を避け、富士山の自然を満喫してほしい。そして、このかけがえのない富士山の自然を次の世代に伝えていくため、ほんの少し、できる範囲で、自然を大切にするマナーに、ご協力いただければありがたい。
 
 
Photo_2
(「登山道の混雑情報」) 
 
 
 今年から新たに富士山エコサポーターの皆さんが、エコレンジャー活動に参画してくれる。笑顔の仲間が増えて心強い。
 
 
P1140463
 (水が塚駐車場にて)
 
 

 ゴミ回収 15個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
1.紙 6          (5)タバコ吸殻 4          (7)紙片 2
3.プラスティック 4   (3)菓子容器 2           (5)破片 2
6.鉄 2          (2)飲料缶 2
8.ゴム 2         (5)その他 2
9.木 1          (3)その他 1
 
 
 

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2017年7月 7日 (金)

活動報告 2017-03 黒塚・須山口 環境パトロール

活動日時  2017年(平成29年)6月30日(金)13:30 - 17:30 
活動区域  須山口弁当場→黒塚→涸沢出口→フジバラ平→須山口弁当場
天候     小雨、曇り
       
参考     山頂(14時) 気温 4.4゜C、湿度 100%、気圧 645.4hPa
 
 
 出発地の弁当場近くで、6月18日にツキノワグマが目撃され、裾野市より注意情報が出されている。ツキノワグマとの不意の遭遇を避けるため、熊鈴を携行し、時折、大声をだしながら歩いた。また、トウガラシ・スプレイも携行し、お互いにとって不幸な遭遇に備えた。2016年ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)調査区間(下図、区間⑦~区間⑥)のレース実施9ヶ月後の様子を観察し、ビデオと写真で記録した(7回目の2016年植生保全環境調査)。
 
 
20170630
(図 今回の環境パトロール(黄色)。区間はUTMF2016調査区間、背景は静岡県CS立体図、番号は荒廃位置)
 
 
 -梅雨の雨季に入り、レースに使用された歩道では、復旧作業の実施いかんにかかわらず、降雨よる侵食が起きていることを確認した。また、調査区間外の崩壊地では、崩落や土砂の移動による倒木が見られた。
 
 -大調整池やフジバラ平周辺では、大量の外来種ハルザキヤマガラシの結実が見られた。
 
 -本年2月以降の生き物記録では、ニホンジカが大多数を占め、6月に誕生したばかりの当歳子が記録された。また、キツネやアナグマ、テン、ノウサギが撮影されていた。
 
 -須山口登山歩道では、4月以降、来訪者が増加している。レース実施時にスリップが多発した崩壊崖上の狭い歩道地点は、未だに復旧作業が行われていない。来訪者が注意しながら通過する様子も記録されていた。
 
 
 
1. ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)2016植生保全環境調査(通過9ヶ月後)
 
 黒塚・須山口登山歩道の自然環境を一口でいえば、「脆弱」という言葉が当てはまる。側火山堆積物や土壌が浅く崩れやすい地質、大半が10°を超える急傾斜地の地形、過去30年間の年平均雨量が3,000mmから3,500mmの多雨な気象、その降雨や凍結・融解による土壌侵食。そうした自然条件から調査区間全域にわたり土石流危険区域に指定され、災害発生が危惧されている。

 
区間⑦(別荘地東の鉄塔から、黒塚の上りにかかる鉄塔まで)

 過去4回利用された歩道。荒廃後の主催者による歩道表層の修復作業が行われたものの、冬シーズンの降雨や凍結融解、梅雨の降雨により、2016年のレース前より歩道表層の侵食が進み、根の露出が見られる。
 
702520160922
(区間⑦-1 2016/9/22 大規模レース実施前 )
 
 
702520160924
(区間⑦-1 2016/9/24 雨天通過直後)
 
 
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(区間⑦-1 2017/6/30 2016レース前より侵食進む)
 
 
 
区間③(黒塚鉄塔から、放射谷群南端まで上り斜面) [主催者追い越し禁止区間]
 
 黒塚の急斜面を直線的に上るこの区間は、従来、演習地との境界として管理され、来訪者は少ない。2015年よりコース利用され、酷い荒廃が発生したため、主催者は土砂移動対策として新たに木道(丸太階段)を設置した。2016年のレースでも、再び酷い荒廃がおき、レース後に新たに木道が加えられた。今回、斜面の下の木道部分では、上部からの土砂流出により、丸太が一部埋まったり、縦杭が流出している箇所が見られた。
 
306520170221
(区間③-1 2017/2/21 レース後設置の丸太階段)
 
 
306520170630
(区間③-1 2017/2/21 上部侵食に土砂移動)
 
 
 
区間④(放射谷群南端からフジバラ平まで主として下り斜面) [主催者追い越し禁止区間]

 黒塚の急斜面を直線的に下るこの区間は、侵食により側火山の山腹に多くの放射谷が形成され、人為的な負荷が無くても、土砂流出などの災害が危惧されている。従来、この斜面は演習地との境界として管理され、来訪者は少なく、境界面は、ほぼ平坦であった。
 
 2015年レース以降、大規模ランナーの負荷により荒廃がおこり、平坦な境界面に凹状の跡ができ、多雨や凍結・融解によって侵食がすすんだ。2015年レースによる荒廃確認調査をした主催者は、上り斜面とは異なり、下り斜面では、木道設置原因による侵食の恐れがあるとし、丸太階段は最小限に留められた。

 2016年も大雨の中で調査区間をコース利用し、路面破壊がさらに進み、樹木の根の露出が著しかった。調査区間では、2015年、ランナーが荒廃箇所を回避したり、追い越すために歩道外に踏み込み、貴重な植生を損傷した。2016年には、歩道の拡幅、植生損傷を避けるため、ガイド・ロープが張られ、大規模な負荷が脆弱な歩道に集中し、歩道表層の破壊、樹木根の損傷を起こし、斜面の侵食をすすめている。
 
 2017年5月、主催者は木道設置原因による侵食の恐れがあるとしながらも、下り斜面に新たな木道(丸太階段)を設置した。
 
4xx320170221
(区間④-1 2017/2/21 下り斜面、根の露出)
 
 
4xx320170630
(区間④-1 2017/6/30 急傾斜地に丸太階段設置)
 
 
4xx420170221
(区間④-1 2017/2/21 下り斜面、根の露出)
 
 
4xx420170630
(区間④-1 2017/6/30 復旧作業後、侵食がすすむ)
 
 
4xx520170221
(区間④-2 2017/2/21 大きな段差の木段)
 
 
4xx520170630
(区間④-2 2017/6/30 復旧なく、侵食がすすむ)
 
 
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(区間④-3 2017/2/21 樹木根の損傷、土壌侵食)
 
 
4xx720170630
(区間④-3 2017/6/30 侵食がすすみ根の露出大)
 
 
4xx820170221
(区間④-4 2017/2/21 丸太階段下の侵食)
 
 
4xx820170630
(区間④-4 2017/6/30 侵食がすすみ根の露出大)
 
 
 
区間⑤(フジバラ平から崩壊崖の狭い歩道まで) [主催者追い越し禁止区間] 
 
 5回連続使用されたこの区間は、2016年の大規模トレイルラン・レースでは、緩傾斜地でも歩道の土壌表層破壊(エグレ)、泥濘化、拡幅、複線化が見られ、植生損傷も著しかった。90件以上のスリップを起こした地点では、未だに登山歩道の修復が行わている様子はなく、梅雨シーズンの雨で侵食が進んでいる。
 
 
P1110941
(区間⑤-1 2016/10/26 スリップ多発地点)  
 
 
Imgp4648
(区間⑤-1 2017/6/30 侵食がすすむ)
 

 崩壊崖上の狭い歩道地点の現状では、来訪者は、この地点の通過に際し、崖下への転落を避けるため、根を摑むなど安全に注意して通過している(同様な通過が8件記録されている)。大規模イベントの影響で、須山口登山歩道の来訪者の安全が損なわれたままだ。
 

Photo_2
 
 
  
区間⑥(崩壊崖の狭い歩道から涸沢出口まで) [主催者追い越し禁止区間]
 
 5回連続使用されたこの区間は、2016年の大規模トレイルラン・レースでは、コースの涸沢が増水、濁流となり、一時、通過できなくなった。数百人規模の渋滞、滞留が発生し、歩道の複線化、植生損傷などが見られた。梅雨シーズンの降雨で人工斜面の侵食が進み、歩道の陥没や倒木が発生した。
 
P1100103
(⑥-1 2016/9/25 レース実施直後)
 
 
Imgp4615
(⑥-1 2017/6/30 陥没、枝を挿入し通行禁止状態)
 
 
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(⑥-2 2016/10/26 レース実施後、根の踏みつけ)
 
 
Imgp4608
(⑥-2 2017/6/30  根返り倒木)
 
 
 
●環境省のモニタリング・ガイドライン
  
 2017年3月に公開された環境省の「国立公園内で開催されるトレイルランニング大会等におけるモニタリングの手引き」では、トレイルランニングの影響が出やすい箇所を取り上げている。

a.コースから外すべき区間とされている地点
b.歩道の幅員が狭い地点(手前の幅員が広く、急に狭くなる地点)
c.路面にぬかるみが生じている地点・雨天時にぬかるみが生じやすい地点
d.洗掘が生じている地点
e.傾斜がある地点(コースの進行方向に対して下っている地点)
f.下り方向のカーブや緩やかなカーブが連続する地点・開けて見通しがよい地点
g.木製等の階段が設置されている地点(特に下り方向で使われる場合)
h.路面上に樹木の根が張り出している(露出根のある)地点
i.樹木の枝がコース上に張り出している地点
j.希少な植生や動物が確認されている地点
k.登山道が不明瞭な地点

 この中で、黒塚・須山口登山歩道はa、b、c、d、e、g、h、j、kの箇所に該当する(太字は筆者による)。特に過去、調査区間で脆弱な急斜面に木道(丸太階段)を設置し、木道や歩道表層を破壊し、樹木根を損傷した実例という観点からみると、c、d、e、g、hが注意箇所となる。

 環境省のホームページには、このガイドラインを作成に関わった有識者として主催者実行委員会の下記役員の方が参画していると紹介されている

  千葉 達雄 NPO法人富士トレイルランナーズ倶楽部・事務局長 (実行委員会事務局長)
  村越  真  静岡大学 学術院教育学領域 教授 (実行委員会副委員長)

 主催者の環境調査も担当し、発生しやすい荒廃箇所の知見もあり、実際の観察もされている。この区間の迂回を是非、実現して欲しい。
 
 
 黒塚・須山口登山歩道区間は迂回策も採られないまま、雨天に強行され、1,000人を上回るランナーにより利用された。この大規模な負荷には、主催者による木道(丸太階段)設置は逆効果となり、結果的に荒廃の拡大、激甚化を招いている。過去5年のモニタリング結果は、今後とも、同様な対応を続けた場合、公共の歩道が廃道になることを教えている。
 
 自然環境への負荷を低減し、来訪者の安全を確保するためには、気象にかかわらず、過剰な負荷に耐えるよう、歩道の支持力を大幅に増す根本的な土木工事対策(コンクリートによる路体補強や舗装など)が必要だ。ただし、自然環境利用の経済性を考えただけでも、その実現には極めて高いハードルがある。

 大規模トレイルラン・レースのコース選定で、「脆弱」な富士山南麓の側火山エリアの自然豊かな歩道を迂回することが、現実的で可能な解決法だ。

 
 
調査区間外での荒廃状況
 
 2012年に使用された崩壊地上のコース(第二崩壊地、現在は立ち入りできない)では、崩落が進んだ。2012年から2013年、2014年と利用された崩壊地のコース(第三崩壊地)では、歩道脇の樹木が倒れた。 

P1130472
(第二崩壊地 崩壊崖上の旧歩道 2017/4/28)
 
 
Imgp4624
(同地点 2017/6/30 右下の崖が崩落)
 
 
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(第三崩壊地の樹木根返り 2017/6/30)
 
 
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(同地点 2017/6/30 倒木斜面上部は送電線のため伐採)
 
 
 
2. 外来種繁殖状況
 
 毎年のように須山口登山歩道周辺で外来種のハルザキヤマガラシ(要注意外来生物 類型2)の繁殖が確認されている。今回もハルザキヤマガラシが多数結実しているのをみた。フジバラ平調整池周辺、大調整池東側の人工斜面歩道の周辺に多く見られる。
 
 
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(フジバラ平調整池水際 2017/6/30 )
 
 
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(大調整池東側のコースとなる歩道 2017/6/30 )
 
 
 
3. 野生動物通過の記録(上り、下りの合計)

 
 2017年2月~同6月では、ニホンジカ、今年誕生したニホンジカ、キツネ、テン、ニホンアナグマ、ノウサギが通過。ニホンジカが撮影の殆ど占めている。
 

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(ニホンジカ)
 
 
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(ニホンジカ メス成獣と当歳子)
 
 
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(キツネ)  
 
 
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(テン)
 
 
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(ニホンアナグマ)
 
 
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(ノウサギ)
 
 
 
4. ゴミ回収 35個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
1.紙 3              (7)紙片 3
3.プラスティック 27      (3)菓子容器 10   (5)破片 15     (6)その他 2
5.ビニール 3          (2)袋 1        (4)紐 2
6.鉄 2              (2)飲料缶 2
 
 

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