2017年4月19日 (水)

富士山南麓 「黒塚・須山口登山歩道」 モニタリング活動から

 富士山南麓の生態系ホットスポットと呼ばれ、みんなが大切にしている公共の歩道やその周辺自然環境が、特定の大規模イベントの影響で荒廃してきた。その荒廃は年々拡大し、激甚化していることが、この5年間のモニタリングで明らかになってきた。

 
Photo
(富士山南麓のコースは年間を通じて雨が多く、とりわけ、側火山エリアは傾斜が急で、崩れやすい火山堆積物で覆われている脆弱な場所だ。北麓側は南麓に比べて雨は少なく、コースは富士山本体の側火山エリアにまで入り込んでいない)
 
    

2016cs2
(黒塚・須山口登山歩道。黄線はコース一部の2016年調査区間。出典は静岡県CS立体図。赤い部分は凸部、青い部分は凹部、地形図では分かりにくい微地形が表現されている。黒塚側火山の侵食が進む放射谷群や同じく北黒塚側火山の崩壊崖上の狭い歩道がコースになっている)
 
 
 
 まず、「2016年ウルトラトレイル・マウントフジ植生保全環境調査概要報告(追加)」で現状を紹介する。2016年大規模トレイルラン・レース実施後の黒塚・須山口登山歩道がどうなったか、2015年大会後の修復工事の効果や5年間の継続利用による荒廃の拡大・深刻化を共有してほしい。
 
 
●追加報告の内容

 ①登山道や周辺環境の荒廃に対して、主催者側が何もしていない訳ではない。部分的にコースを変更したり、2015年9月の大会実施後に主催者による丸太階段や土流出防止丸太の設置など補修作業が行われ、2016年の大会時には追い越し禁止のロープも張られた。こうした対応にも関わらず、2015年の荒廃と今回2016年の荒廃を比較すると、2016年が全体的に荒廃が酷く、とりわけ、歩道の路体にかかわる表層破壊や樹木の根損傷が拡大し、激甚化している。路体の許容限界を越えた負荷のため補修作業の効果は限定的となっている。
 
 
2016vs2015
(比較した全区間で路体にかかわる歩道表層破壊、根の損傷が明確に増加。崩壊が進む崖上の狭い歩道を含む5年継続利用の区間(⑤、⑥)で全ての荒廃種類が明確に増加)
 
 
 
S
(主催者の2012年~2015年の環境調査と私達の2016年のモニタリングで計測された大会実施前の黒塚・須山口登山歩道の土壌支持力は、山中式土壌硬度計で15mm以下だ。トラクターで耕す時、田畑が泥濘んで作業できるかどうか判定する目安が15mmとされている。人が走行するときの接地圧はこのトラクターより高い。ましてや、1,000人を上回る大規模な連続踏圧の形で15mm以下の軟弱な歩道に負荷が加え続けられれば、歩道表層の破壊や樹木根の損傷が多発する。この歩道を継続利用するための解決策は、通過人数を大幅に減らして歩道の支持力に見合った負荷にするか、歩道自体を舗装するなど支持力を大幅に高める必要がある)
 
 
 
 ②5年連続利用した崩壊崖上の細い歩道では、ランナーのスリップで歩道からずり落ちた事例が数多く(約90件)発生し、その場所が谷側へ傾斜したまま整備されず、冬場の路面凍結で一般来訪者の通過が極めて困難な状態にまでなっている。レース参加者の安全だけではなく、レースに起因する歩道の荒廃によって、この公共の歩道を利用する他の来訪者の安全が損なわれてはならない。
 
 
Slip1l


P1120794
 
 
 
 ③実行委員会は、2012年の第1回大会以前から須山口登山道を脆弱と考え、第1回大会の主催者環境調査でも、影響が大きいことを指摘し、雨天の場合はさらに影響が大きいとしながら、迂回など順応的かつ効果的な対策をとらないまま利用し続けた。その結果、荒廃の拡大、激甚化を招いている。この過ぎ去った5年をきちんと振り返ることよって、はじめて次の5年が展望できる。
 
 
Photo_2
 
 
 
 ④須山口登山道では、適切なガイドに引率された小グループのエコ・ツアーやハイキング、自然観察会など分散的に利用することが、その脆弱な自然環境に加える負荷が少なく、持続可能な利用法となる。


 2012年から連続して3回大規模トレイルラン・レース(各年700人、1800人、1100人通過)のコースとして使われ、2015年、2016年と使われなくなった区間でも、通過した部分がミズ道化し、20cmを超えて土壌侵食が進み、埋設されていたホースが露出してしまった。まとまった降雨の度に侵食が進み荒廃が顕在化している。たとえ雨天の中で通過しなくても、一旦、表層土壌が崩れた道はその後の雨で荒れていく。脆弱で雨が多い所の登山道の荒廃が進行する様子は定期的なモニタリングをしてみて初めて解る。
 
 
P1050725
2012年5月20日 1回目の大規模レース実施後。
 

20160730_384_659
同地点、2016年7月30日 連続3回利用され、2015年、2016年と利用されなかったが、侵食は進行中。
 
 
 
 
 毎年のモニタリング結果を振り返ると、この5年間の大規模トレイルラン・レースによる黒塚・須山口登山歩道や周辺自然環境荒廃の一因は、あきらかに富士山南麓の環境許容量を越えた特定イベントによるオーバー・ユースにあると言える。
 
 
 「雨が多い東南アジアの大規模トレイルラン・レースでは、環境省がコースを舗装して利用している」と大会関係者から聞いた。雨が多く軟弱な環境特質のトレイルで、大規模な負荷を支え、歩道やその周辺自然環境を保全するるための措置であろう。同じように雨が多く軟弱な富士山南麓の登山歩道を、大規模トレイルラン・レースで利用し続けるなら、こうした「舗装」という手段が解決になるのかもしれない。しかし、、、

 そもそも、「トレイルランニングは野山の未舗装路を走る」とトレイルランナー団体の大会開催ガイドラインに説明されている。黒塚・須山口登山歩道を利用し続けている団体役員が、このトレイルランナー団体の役員に、大勢名を連ねている。富士山南麓の黒塚・須山口登山歩道の荒廃の現状もよくご存知だ。今後も大規模な負荷がかかるイベントでここを利用し続けるのなら、軟弱な歩道を舗装する必要がある。そうなれば、トレイルランニングではなくなる。

 また、舗装することは、自然環境保全や利用の観点から、さらには経済性の面でも新たな課題が続出する。その前に、軟弱な富士山南麓の側火山エリアは迂回することで解決できる。
 
 
 
ウルトラトレイル・マウントフジ植生保全環境調査 富士山エコレンジャー連絡会編
 
 
 1. 2012年報告書 (31MB)
 
 2. 2013年報告書 (7MB)
 
 3. 2014年報告書 (12MB)

   2012年~2014年写真資料 (17MB)

 4. 2015年報告書 (5MB)

   2015年写真資料
    区間① (6MB)
    区間② (3MB)
    区間③ (6MB)
    区間④-1 (5MB)
    区間④-2 (2MB)
    区間⑤ (2MB)
    区間⑥ (1MB)
    その他 (2MB)

 5. 2016年報告書 (4MB)

  2016年報告書(追加) (2MB)

  2016年写真資料
    区間⑦ (8MB)
    区間③ (10MB)
    区間④ (14MB)
    区間⑤ (10MB)
    区間⑤スリップ (2MB)
    区間⑥ (5MB)    
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月28日 (火)

活動報告 2016-15 黒塚・須山口 環境パトロール

活動日時  2017年(平成29年)2月21日(水)8:45 - 15:00 
活動区域  須山口弁当場→黒塚→崩壊崖迂回路階段→須山口弁当場
天候     晴
       弁当場(8時) 気温 -2゜C
参考     山頂(8時) 気温 -26.3゜C、湿度78%、617.0hPa
       河口湖上空3km(8時) NW 22m/s
 
 

Map01
(調査区間(黄色)と今回の環境パトロール(赤)、背景は静岡県CS立体図、番号は写真の位置)
 
 
 2016年大規模トレイルラン環境調査区間(上図、区間⑦~区間⑥)、の実施5ヶ月後の様子をビデオと写真で記録した。


 区間⑤の崩壊崖上の狭い歩道や迂回階段が凍結し、通過困難なため迂回階段で引き返した。歩道や階段の積雪が前夜の雨で解け、未明の低温で凍結したためと思われる。転倒・転落の危険を感じた。来訪者の方は、軽アイゼンやストックの持参など事前の準備と通過時には十分な注意をお願いします。
 

 レースに使用された歩道では、回復作業の実施いかんにかかわらず、降雨や凍結融解による侵食が起きていることを確認し記録した。


 区間⑤では、昨年と同様にほぼ同じ場所で、ニホンジカによるキハダなどの樹皮はぎが数多くみられた。昨年10月以降のセンサーカメラによる生き物記録では、ニホンジカが大多数をしめ、キツネやアナグマ、テンが撮影されていた。
 
 

1. 植生保全環境調査(大規模トレイルラン・レース通過5ヶ月後) 
 
調査区間⑦(別荘地東の鉄塔から、黒塚の上りにかかる鉄塔まで)
 
 
 昨年10月のレース実施1ヶ月後と比べて、落葉落枝の堆積は増えたものの、修復後に侵食がみられる箇所があった。これは、降雨や凍結融解によるものと思われる。
 
 
P1110388
(区間⑦-1 2016/10/26 レース1ヶ月後、補修後の歩道ミズミチ化 )
 
Gopr2632mp4_snapshot_0458_20170224_
(区間⑦-1 2017/2/21 レース5ヶ月後、落葉堆積はあるが侵食進む)
 
 
 
P1110394
(区間⑦-2 2016/10/26 レース1ヶ月後、比較的緩斜面の歩道 )
 
Gopr2632mp4_snapshot_0611_20170224_
(区間⑦-2 2017/2/21 レース5ヶ月後、歩道表層の侵食進む)
 
 
 
調査区間③(黒塚鉄塔から、放射谷群南端まで上り斜面)
  
 昨年10月に階段丸太周辺では深刻な土壌侵食を示す土人形が見られていた(活動報告 2016-11)が、丸太の下側では侵食が進んだ。また、歩道谷側に縦に置かれた丸太部分では、歩道がさらに侵食されミズミチ化が進んだ。侵食は降雨の流水に加えて、凍結融解の影響があるものと思われる。
 
 
P1110422
(区間③-1 2016/10/26  レース1ヶ月後、黒塚登り斜面)
 
P1130097
(区間③-1 2017/2/21 レース5ヶ月後、歩道の侵食、ミズミチ化)
 
 
 
P1110425
(区間③-2 2016/10/26 レース1ヶ月後、主催者による丸太階段)
 
P1130092
(区間③-2 2017/2/21 レース5ヶ月後、丸太下部谷側壁の侵食進む)
 
 
 
P1110441
(区間③-3 2016/10/26 レース1ヶ月後、主催者2015年調査地点)
 
P1130083
(区間③-3 2017/2/21 レース5ヶ月後、丸太下部谷側壁の侵食進む)
 
 
 
P1110493
(区間③-4 2016/10/26 レース1ヶ月後、土砂移動留の縦置き丸太)
 
P1130067
(区間③-4 2017/2/21 レース5ヶ月後、縦置き丸太部のミズミチ化)
 
 
 
P1110537
(区間③-5 2016/10/26 レース1ヶ月後、急傾斜地の丸太階段)
 
P1130056
(区間③-5 2017/2/21 レース5ヶ月後、丸太下部谷側壁の侵食進む)
 
 
 
調査区間④(放射谷群南端からフジバラ平まで主として下り斜面
 
 2016年大雨の中で大規模トレイルラン・レースが実施された黒塚の北側急斜面の歩道は、侵食が進み、樹木の根の露出が著しい。有効な対策がとられなければ土砂流出が進む。過去3回利用された須山口登山歩道区間の継続観察地点もレース後の荒廃に加えて、激しい侵食が見られる。
 
 
P1110609
(区間④-1 2016/10/26 レース1ヶ月後、北側下り斜面、根の踏みつけ)
 
P1130004
(区間④-1 2017/2/21 レース5ヶ月後、根下側の侵食進む)
 
 
 
Imgp4070
(区間④-2 2016/9/22 2016年レース実施前)
 
P1100313
(区間④-2 2016/9/25  2016年レース実施翌日)
 
P1110634
(区間④-2 2016/10/24  2016年レース実施1ヶ月後)
 
P1120894
(区間④-2 2017/2/21  2016年レース実施5ヶ月後)
 
P1110631
(区間④-2拡大 2016/10/24 2016年レース実施1ヶ月後)
 
P1120895
(区間④-2拡大 2017/2/21 2016年レース実施5ヶ月後、丸太下部谷側壁の侵食)
 
P1120900
(区間④-2をさらに拡大 2017/2/21 2016年レース実施5ヶ月後、丸太下部谷側壁の侵食)
 
 
 
Imgp4074
(区間④-3 2016/9/22  2016年レース実施前)
 
Imgp4236
(区間④-3 2016/9/24  実施直後、丸太階段荒廃)
 
P1110670
(区間④-3 2016/10/26 レース1ヶ月後、丸太階段の除去)
 
P1120872
(区間④-3 22016/10/26 実施5ヶ月後、ミズミチ化)
 
 
 
P1110672
(区間④-4 2016/10/26  レース1ヶ月後、須山口登山歩道定点観測点)
 
P1120868
(区間④-4 2017/2/21 レース5ヶ月後、侵食進む)
 
 
 
P1110704
(区間④-5 2016/10/26  レース1ヶ月後、フジバラ平定点観測点)
 
Gp032635mp4_snapshot_0233_20170224_
(区間④-5  2017/2/21 レース5ヶ月後、侵食進む )
 
 
 
調査区間⑤(フジバラ平から崩壊崖の狭い歩道まで)

 5回連続使用されたこの区間は、2016年の大規模トレイルラン・レースでは、緩傾斜地でも歩道の土壌表層破壊(エグレ)、泥濘化、拡幅、複線化が見られ、植生損傷も著しかった。冬シーズンの雨や凍結融解の繰り返しによる侵食が進んでいる。

 今回の環境パトロール前夜に、まとまった降雨があり(SIPOS裾野市須山で67mm)、残雪が解け、未明の低温で歩道路面が凍結していた。2016年レースでスリップが多発した崩壊崖上の荒廃地点では、エグレ部分が氷結し、歩行が困難であった。簡易アイゼンやストックなどなければ通過できない状態になっていた。降雪時や凍結時は来訪者がスリップし転落するおそれがある。来訪者の方は、軽アイゼンやストックの持参など事前の準備と通過時には十分な注意をお願いします。
 
 
 
P1110708
(フジバラ平の調整池 レース1ヶ月後、2016/10/26)
 
P1120735
( 同 2017/2/21 レース5ヶ月後、増水し、周辺部が凍っている)
 
 
 
P1110745
(区間⑤-1 2016/10/26  レース1ヶ月後、須山口登山歩道、深い侵食)
 
P1120838
(区間⑤-1 2017/2/21 レース5ヶ月後、侵食が深くなった)
 
 
 
P1110776
(区間⑤-2 2016/10/26  レース1ヶ月後、須山口登山歩道)
 
P1120822
(区間⑤-2 2017/2/21 レース5ヶ月後、侵食、根の露出がすすむ)
 
 
 
P1110794
(区間⑤-3 2016/10/26  須山口登山歩道定点観測点、レース1ヶ月後)
 
P1120817mp4_snapshot_0013_20170223_
(区間⑤-3  2017/2/21 レース5ヶ月後、侵食、根の露出がすすむ)
 
P1120816mp4_snapshot_0026_20170223_
(区間⑤-3拡大  侵食が激しく根が出ている) 
 
 
 
P1120766
(区間⑤-4 2017/2/21 レース5ヶ月後、崩壊崖上の狭い歩道凍結しスリップして危険)
 
 
 
P1110817
(区間⑤-5 2016/10/26 レース時スリップ多発地点、レース1ヶ月後)
 
P1120794
(区間⑤-5 2017/2/21 レース5ヶ月後、激しい侵食と凍結)
 
P1120795mp4_snapshot_0303_20170223_
(区間⑤-5拡大 激しい侵食と雪や雨水の凍結) 
 
P1110832
(区間⑤-5 反対方向から 2016/10/26、レース1ヶ月後)
 
P1120769
(区間⑤-5 反対方向から 2017/2/21 レース5ヶ月後、凍結によりスリップ)
 
 
 
P1110840
(区間⑤-6 2016/10/26 崩壊崖上の迂回路南側階段、レース1ヶ月後)
 
P1120763
(区間⑤-6 2017/2/21 レース5ヶ月後、凍結によりスリップ)
 
Imgp4533
(区間⑤-6拡大 2017/2/21 レース5ヶ月後、厚い氷に覆われている)
 
 
 
2. 野生動物の様子
 センサーカメラには、ニホンジカ、キツネ、ニホンアナグマ、テンが撮影されていた。フジバラ平北側の須山口登山歩道周辺で昨年と同様にキハダなどの樹皮はぎがみられた。ニホンジカやノウサギの糞がみられた。

野生動物通過の記録(上り、下りの合計)


Sensor
 
 
 
Img_0470
(ニホンジカ オス 成獣)
 
Img_0723
(ニホンジカ オス 成獣)
 
Img_0291
(ニホンジカ オスとメス)
 
Img_0583
(ニホンジカ 左オス 右メスx2)
 
P1120830
(ニホンジカによる樹皮はぎ キハダ) 
 
Imgp4530
(ニホンジカによる樹皮はぎ キハダ) 
 
 
Img_0881
(キツネ)
 
 
Img_1285
(テン)
 
 
Img_0622
(ニホンアナグマ) 
 
 
 
3. ゴミ回収 14個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
 
1.紙 1            (5)タバコ吸殻 1
3.プラスティック 6     (3)菓子容器 3    (6)その他 3
5.ビニール 6        (3)紐3          (4)破片 3
6.鉄1             (2)飲料缶 1

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年11月 9日 (水)

活動報告 2016-12 御殿場口環境パトロール(合同研修)

活動日時  2016年(平成28年)11月5日(土)10:00 - 14:00 
活動区域  御殿場口駐車場→二ツ塚~須山口下山歩道二合目(四ツ辻)→幕岩→御殿場口駐車場
天候     晴
参考     山頂(10時) 気温 -6.0゜C、湿度46%、640.4hPa
        河口湖上空2km SW 12m/s(10時)

 今シーズン4回目の合同研修形式の環境パトロールに参加した。一回目は開山前の富士宮口、二回目は、8月、雨の須走口、三回目は閉山後の富士宮口、そして今回は、閉山後の御殿場口。

20161105maps


 
 天候に恵まれ、来訪者の方とも対話でき、環境保全ボランティア活動の充実した一日。みんないい顔している。

Member
 
 
 
 上り口に沢山の標識、案内板が数多くならんでいた。富士山のすっきりとした景観には、少し雑然としているように思えた。それに、御殿場口五合目周辺に晩秋の秋を楽しみに来訪された方には、いきなり、通行止めは、困ってしまうかもしれない。もちろん、夏シーズン以外に高標高域への登山は、来訪者の方自身の体力、登山技術はもちろん、登山届などの安全対策、携帯トイレの持参など環境対策も必要なことはいうまでもない。
 
P1120160
 
 
 
世界文化遺産の標識が建てられている。ここは、構成資産「須山口登山道(現、御殿場口登山道」だ。地図も表示して、保全区域や緩衝区域を明示している。世界遺産の登録は、世界への保全の約束だ。
 
P1120158
 
  
 
よく晴れて、少しの風が心地よい。
 
P1120172
 
 
 
素晴らしい景色をたのしんでいるさなか、また、今年も同じ場所にタイヤ群が残置されたままだ。持てるゴミなら自分たちで回収するけれど、このタイヤは難しい。何年も報告しているけれど、そのままだ。
 
P1120171
 
 
 
カラマツの黄葉はほとんど終わっていたが、多くの樹で、針葉が枝に粘着しているように見える。
 
P1120265
 
 
P1120201
 
 
 
世界文化遺産「須山口登山道」の荒廃が進んでいるように思えた。2013年大規模トレイルラン・レースで多くのランナーが直進した踏み跡は、その後、多くの来訪者が利用して、樹木の根がむき出しとなり、年々ひどくなっている。もちろん、関係者の方は、登山道の保全に尽力下さっている。だが、一旦、荒廃し始めると修復がどんどん困難になってくる。自然の侵食になかなか追いつかない。
 
P1120318
 
 
 
この歩道が通っている尾根の東側、砂沢(ずなさわ)の右岸は、大規模な崩壊がすすんでいる。

P1120340
 
 
 
幕岩、御殿場口駐車場間で歩道に覆いかぶさった倒木の注意喚起があった。通過に際しては、十分注意したい。
 
Imgp4387
 
 
 
.ゴミ回収22個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
昨年(2015/11/7)の同コースパトロール時に比べて回収したゴミは減った(34→22)が、依然、衛生物のゴミ(8→2)があった。このコースは一周3時間程度かかるので、携帯トイレの持参しましょう。

1.紙 5          (4)衛生物 使用したティシュなど 2  (5)タバコ吸い殻 3
3.プラスティック 5   (3)菓子容器 3              (6)その他 2
5.ビニール 10     (2)袋 3                   (3)紐 3 (5)破片 4
7.ガラス 2       (3)破片 2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年11月 3日 (木)

活動報告 2016-11 植生保全環境調査(レース1ヶ月後)

活動日時  2016年(平成28年)10月26日(水)8:00 - 12:00 
活動区域  須山口弁当場→黒塚→大調整池北→須山口弁当場
天候     晴
参考     山頂(8時) 気温 -6.3゜C、湿度92%、647.6hPa


Photo
(調査区間の航空写真 UTMF/STYコースは黄色点線、赤線は土石流危険渓流、紫エリアは土石流危険区域)
 
  
 エコレンジャーの仲間4人で2016年ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)調査区間(土石流危険区域内の区間⑦~区間⑥)のレース実施1月後の様子を観察し、ビデオと写真で記録した。
 
 
 大会開催後1ヶ月の間に、この区間を主催者や地域の関係者など多くの方が訪れ、調査や修復作業をやられたようだ。年々歩道の荒廃が顕在化してきたためか、過去5年間観察した中で、こうした対応は初めてだ。主催者には修復する義務があるとしても、地域の関係者の方などありがたいことだ。今後の対応が効果を発揮し、歩道やその周辺自然環境の保全、一般来訪者の安全につながってほしいと願っている。
 
 
  この土石流危険区域内で、2012年から連続して3回大規模トレイルラン・レース(各年700人、1800人、1100人通過)のコースとして使われたが、昨年、今年と使われなくなった区間では、通過した部分がミズ道化し、現在は20cmを超えて土壌侵食が進み、埋設されていたホースが露出している。まとまった降雨の度に侵食が進み荒廃が顕在化している。この土石流危険区域内は、年間3000mmを上回る多雨、山間部の傾斜地が多い険しい地形、側火山周辺でその崩れやすい火山体積物という地質などの環境特性がある。
 
P1050725
2012年5月20日 1回目の大規模レース実施後
 

20160730_384_659
同地点、2016年7月30日 連続3回レースで利用され、昨年利用されなかったが、侵食は進んだ。
 
 
 一方で、崩れやすく雨が多い、同じ環境特質をもつ側火山西臼塚の歩道荒廃事例では、利用による荒廃や降雨による侵食と多大な労力をかけた(コストがかかる)補修作業との「イタチごっこ」となり、結果的に来訪者の安全確保のため歩道が閉鎖された区間がある。そうした状況に陥らないようにとも願っている。
 
 
 
ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)2016植生保全環境調査(実施1ヶ月後)

 
20160910

 修復作業が行われた場所は、それなりに変化がみられる。しかし、側火山エリアの環境特質で、軟弱かつ急傾斜な黒塚の歩道では、修復を行ったと思われる荒廃箇所が、レース以降1ヶ月間の降雨により侵食され、ミズ道化した箇所が多く見られた。黒塚南側(調査区間⑦、③)では、歩道表面や丸太階段の修復が行われたようだが、黒塚北側斜面(調査区間④)と2012年以来毎年利用されている調査区間⑤、⑥の荒廃箇所や危険箇所は、保全や安全対策が現段階では効果を発揮しているようには見えなかった。
 
 
 
調査区間⑦(別荘地東の鉄塔から、黒塚の上りにかかる鉄塔まで)
 
 実施直後の調査で確認した歩道表層の目を見張るほどの破壊(エグレ)は、落葉もあり、あまり確認されなかった。この区間は歩道表層の修復作業がおこなわれたようだ。しかし、修復後の降雨によるミズ道化がみられる箇所があった。
 
P1110387
(区間⑦ 2016/10/26 歩道のエグレのミズ道化)
 
 
 
調査区間③(黒塚鉄塔から、放射谷群南端まで上り斜面)
  
 この区間も主催者による修復が行われたようだ。レースによって崩れた丸太階段は修復されていた。しかし、丸太周辺では深刻な土壌侵食を示す土人形が見られ、レース実施後の降雨時に歩道にそって雨水が流れ、侵食が進んでいると思われる。特に、歩道に沿って縦に置かれた丸太部分では、歩道が「ミズ道化」し、深く侵食した箇所が見られた。傾斜が強くなる上部ほど侵食の度合い(ミズ道の深さ)が強くなる傾向が見られる。過去の調査から、緩傾斜地の調査地点でさえ、年間10cmを超える侵食が観察されているので、今後の侵食状況に注視する必要がある。
 
P1110438
(区間③ 2016/10/26 丸太階段下の土人形)
 
 
P1110436
(区間③ 2016/10/26 丸太を越えた流水跡)
 
 
P1110443
(区間③ 2016/10/26 丸太階段斜面根露出)
 
 
P1110481
(区間③ 2016/10/26 縦置き丸太歩道のミズ道化)
 
 
P1110500
(区間③ 2016/10/26 縦置き丸太歩道のミズ道化)
 
  
P1110513
(区間③ 2016/10/26 縦置き丸太歩道のミズ道化)
 
 
 
縦置き丸太歩道の変化(レース前、レース1ヶ月後)
 
20160922
(区間③ 2016/9/22 レース実施前の最上部丸太階段の直下、縦置き丸太歩道)
 
 
P1110509
(区間③ 2016/10/26 レース実施1ヶ月後前の同地点)
 
 
 
 
調査区間④(放射谷群南端からフジバラ平まで主として下り斜面)

 昨年から利用され始め、深刻な荒廃への対応が不十分と思われる黒塚の北側急斜面の歩道は、効果的な修復対応がほとんどなされていないように見えた。黒塚北側斜面でもミズ道化や侵食が進んでいる。また、樹木の根の損傷が著しい。有効な対策がとられなければ侵食によって土砂流出が進む。過去3回利用された須山口登山歩道区間の継続観察地点もレース後の荒廃に加えて、降雨による侵食が見られる。
 
P1110557
(区間④逆 2016/10/26 縦丸太歩道のミズ道化)
 
 
P1110580
(区間④逆 2016/10/26 樹木の根損傷、侵食)
 
 
P1110584
(区間④逆 2016/10/26 樹木の根損傷、侵食)
 
 
P1110603
(区間④逆 2016/10/26 樹木の根損傷、ミズ道化)
 
 
P1110631
(区間④逆 2016/10/26 樹木の根損傷、侵食)
 
 
P1110629
(同拡大 激しい侵食根の奥10cm、手前30cmの侵食)
 
 
P1110638
(区間④ 2016/10/26 上り部分のミズ道化)
 
 
P1110645
(区間④逆 2016/10/26 緩斜面のミズ道化)
 

 黒塚から下って須山口登山歩道に合流する急斜面の道は、国土地理院地図に記載された本来の歩道だ(下地図参照)。昨年は、その急斜面の道はコースとして利用されなかった。今年は丸太階段を設置して初めて利用された。レースによって丸太階段はずれ落ちた。今回、その丸太階段が撤去されていた。

 丸太階段を撤去した斜面へ降りてくる歩道はミズ道化(直上に掲示した写真)しており、雨水が集まり、斜面が侵食され崩れるおそれがある。(注: レース2日前9/22に測定したこの階段下部の土壌支持力は、山中式土壌硬度計で平均8.7mmと低い)

Photo
(フジバラ平付近の地図 黄色の線は2016年のコース、緑の線は2015年のコース、赤点線は歩道外植性地区間)
 

Imgp4236
(レース直後2016/9/24  丸太階段斜面の荒廃)
 
 
P1110670
(レース1ヶ月後 2016/10/26 丸太階段の除去)
 
 
 また、黒塚から下ってくると、急斜面への道は通行止めの意味で丸太が積まれていた。代わりに、昨年コースとして利用した歩道外の植生地(地図の赤点線)に誘導している。道迷いが懸念されるので、注意喚起が必要だ。
 
Photo_3
(区間④ 2016/10/26 急斜面への通行止めと植生地への誘導)


継続観測地点の状況
 
P1110674
(区間④ 2016/10/26 継続観測地点の小川)
 
 
P1110715
(区間④ 2016/10/26 継続観測地点のフジバラ平の草原斜面)
 
 
 
調査区間⑤(フジバラ平から崩壊崖の狭い歩道まで)

 
 5回連続使用されたこの区間は、今年のレースでは、緩傾斜地でも歩道の土壌表層破壊(エグレ)、泥濘化、拡幅、複線化が見られ植生損傷も著しかった。泥濘は見られなくなくなったものの、修復が行われたようには見えず、レースによってできた深いエグレがミズ道化している。また、崩壊崖上の歩道部分は対応が取られておらず、来訪者がスリップし転落する懸念があるので、注意喚起の掲示をしてほしい。
 
P1110721
(区間⑤ 2016/10/26 歩道のエグレ)
 
 
P1110736
(区間⑤ 2016/10/26 深いエグレによる埋設管の露出)
 
 
P1110745
(区間⑤ 2016/10/26 歩道の深いエグレ20cm)
 
 
P1110767
(区間⑤ 2016/10/26 広く深いエグレとミズ道化)
 
 
P1110797
(区間⑤ 2016/10/26 深いエグレと根損傷)
 
 

対応が必要と思われる崩壊崖上の狭い歩道スリップ地点 
 

P1110818
(区間⑤ 2016/10/26 スリップ多発地点、雨が降ると歩道が軟弱で滑りやすい)
 
 
P1110831
(同 逆方向から 深いエグレと根損傷) 
 
 
P1110856
(区間⑤ 2016/10/26逆 崩壊崖を迂回する丸太階段脇ミズ道化)
 
 
P1110842
(同 丸太階段の侵食)
 
 
P1110866
(区間⑤ 2016/10/26 崩壊崖を迂回する歩道外への土壌流出)
 
 
P1110874
(区間⑤ 2016/10/26 崩壊崖を迂回する歩道面のミズ道化)
 
 
 
調査区間⑥(崩壊崖の狭い歩道から大調整池北の涸れ沢まで)

 この区間も5回連続使用され、従来、影響が少なかった地点でもミズ道化が見られるようになった。大調整池ダム脇の人口斜面を通過する区間も年々侵食がすすみ荒廃が目立ってきた。

 また、涸れ沢が増水した際に、通過中のランナーは緊急避難的に沢を出て、歩道外斜面を通過した。この涸れ沢は、土石流危険渓流に指定されており、豪雨時には頻繁に沢岸の崩壊を起こしている。上流は地形が険しく、一気に水が増える。見た目は涸れ沢だからといって過小評価は危険だ。普段は、涸れ沢に土砂が堆積しているが、一旦増水すると、堆積した土砂は流れ、溶岩の沢底まで、水深は急に深くなる。涸れ沢を利用する須山口登山歩道区間は、増水時の危険性について注意喚起が必要だ。
 
P1110883
(区間⑥ 2016/10/26 歩道のエグレとミズ道化)
 
 
P1110886
(区間⑥ 2016/10/26 歩道のエグレとミズ道化)
 
 
P1110898
(区間⑥ 2016/10/26 左側はレース中断、中止時に大勢のランナーによってできた新たな踏み跡)
 
 
P1110906
(区間⑥ 2016/10/26 涸れ沢増水時にここから避難)
 
 
 
ゴミ回収 11個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
1.紙 1           (7)紙片 1
3.プラスティック 10   (3)菓子容器 3   (5)破片 7
 

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2016年10月 9日 (日)

活動報告 2016-10 植生保全環境調査(レース翌日)

活動日時  2016年(平成28年)9月25日(日)8:00 - 18:00 
活動区域  須山口弁当場→黒塚→大調整池北→須山口弁当場
天候     曇り
参考     山頂(8時) 気温 2.4゜C、湿度100%、651.6hPa




2016
(UTMF/STYコース【赤線】と調査区間)
 
 

 レース実施翌日、2016年ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)調査区間(上図、区間⑦~区間⑥)、別荘地東側の鉄塔下(標高1,100m)から黒塚中腹(同1,193m)、フジバラ平(同1,155m)を経て大調整池北(同1,230m)まで、雨が上がったレース通過翌日の様子を観察し、ビデオと写真で記録した。前日、レースは途中で中止になり、行き約1200人に加えて帰り約400人が通過した。
 
 大会主催者の環境調査班スタッフ3人、単独のスタッフ1人、テープやロープの回収スタッフ3人と出会い会話した。また、ハイキング姿の来訪者1人と出会った。来訪者は「歩道が酷い状態」、「遠くから来ている人もいるし、悪条件でも中止できなかったのか」と話していた。
 
 
 
ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)2016植生保全環境調査(通過翌日)
 
 
 全区間を通じて、歩道表面の破壊、歩道の拡幅にともなう植生損傷が多発している。昨年より酷い荒廃だ。特に印象的なのは、2012年以来毎年利用されている調査区間⑤の荒廃箇所。また、黒塚の下り斜面では、樹木の根の露出と損傷が目立つ。
 
 
 
調査区間⑦(別荘地東の鉄塔から、黒塚の上りにかかる鉄塔まで)
 
 
 歩道表層の破壊(エグレ)と樹木の根露出および損傷、歩道の拡幅とそれに伴う歩道周辺部の植生損傷は、9月になって降り続いた雨の累積と大雨の中での歩道通過に関わっているように思えた。この区間は追い越し禁止に指定されていないので、追い越しの影響も有るかもしれない。()内の説明で「逆」はレース進行方向の逆方向から見たもの。
 
 
P1100632
(区間⑦ 2016/9/25 歩道拡幅、植生損傷)
 
 
P1100631
(区間⑦ 2016/9/25 歩道拡幅、植生損傷)
 
 
P1100623
(区間⑦ 2016/9/25 根の露出、損傷) 
 
 
P1100621
(区間⑦ 2016/9/25 根の露出、損傷)
 
 
P1100618
(区間⑦ 2016/9/25 歩道のエグレ)
 
 
P1100585
(区間⑦ 2016/9/25 歩道拡幅、植生損傷)
 
 
P1100583
(区間⑦逆 2016/9/25 谷側の泥濘化、植生損傷)
 
 
Imgp4211
(*参考* 区間⑦ 2016/9/24 レース中の歩道の流水)



調査区間③(黒塚鉄塔から、放射谷群南端まで上り斜面) [主催者追い越し禁止区間]


 昨年と同様に踏み跡の深いエグレや、歩道や丸太階段部で谷側の泥濘化、傾斜地の根の露出、損傷が著しい。ロープ外への踏み込みはない。縦置き丸太は谷側泥濘の移動を止めているところがあるが、歩道表面がエグレて樋化しているようにみえる。今後の降雨による土壌流出を注視したい。また、縦置き丸太の両側通過もみられる。
 
 
P1100557
(区間③ 2016/9/25 歩道のエグレ) 
 
 
P1100542
(区間③逆 2016/9/25 谷側部泥濘、根損傷)
 
 
P1100541
(区間③ 2016/9/25 歩道のエグレ、谷側部泥濘)
 
 
P1100519
(区間③逆 2016/9/25 谷側部の泥濘) 
 
 
P1100470
(区間③逆 2016/9/25 縦置き丸太) 
 
 
P1100464
(区間③逆 2016/9/25 縦置き丸太両側通過)
 
 
P1100457
(区間③ 2016/9/25 縦置き丸太歩道の樋化)
 
 
Imgp4216
(*参考* 区間③ 2016/9/24 レース中、階段の丸太流出)
 
 
 
調査区間④(放射谷群南端からフジバラ平まで主として下り斜面) [主催者追い越し禁止区間]
 
 
 黒塚の北側急斜面は歩道の表層が通過時に雨で流れ、そこをまず、1000人を上回るランナーが下り通過し、レース途中中止のため数百人が再度上りで通過した。そのため、侵食が進んでいる放射谷の急傾斜地で数多くの樹木の根が露出し損傷した。また、フシバラ平付近の緩傾斜地では、歩道表面に深いエグレが発生し歩道拡幅、植生損傷が見られた。
 

区間④ 下り斜面 歩道のエグレ 樹木の根損傷 継続観察地点 (4-151) - Spherical Image - RICOH THETA

(区間④逆 2016/9/25 樹木の根露出、損傷)
 
 
P1100342
(区間④逆 2016/9/25 樹木の根露出、損傷)
 
 
区間④ 下り丸太階段 階段破損 樹木の根損傷 継続観察地点 (4-152) - Spherical Image - RICOH THETA

(区間④逆 2016/9/25 樹木の根露出、損傷)


区間④ 下り斜面 樹木の根損傷 継続観察地点 (4-164) - Spherical Image - RICOH THETA

(区間④逆 2016/9/25 樹木の根露出、損傷)
 
 
区間④ 下り丸太階段 上 樹木の根損傷 継続観察地点 (4-168) - Spherical Image - RICOH THETA

(区間④逆 2016/9/25 樹木の根露出、損傷)
 
 
P1100297
(区間④逆 2016/9/25 歩道のエグレと拡幅)
 
 
P1100255
(区間④ 2016/9/25 歩道拡幅と植生損傷)
 
 
P1100244
(区間④ 2016/9/25 歩道のエグレと植生損傷)
 
 
Imgp4230
(*参考* 区間④ 2016/9/24 レース中、泥濘状況) 
 
 
 
調査区間⑤(フジバラ平から崩壊崖の狭い歩道まで) [主催者追い越し禁止区間]
 
 
 第1回目のレース(2012年5月)から毎回計5回連続使用されたこの区間は、今回はじめて追い越し禁止となったが、緩傾斜地でも歩道の土壌表層破壊(エグレ)、拡幅、複線化が見られ植生損傷も著しい。過去五回の繰り返し利用も支持力低下に影響していると思う。また、崩壊がすすむ崖上の歩道部分は、今後、降雨時に一般来訪者がスリップするなど安全上の懸念がある。
 
 
P1100229
(区間⑤ 2016/9/25 歩道のエグレと拡幅、複線化)
 
 
P1100224
(区間⑤ 2016/9/25 歩道拡幅と植生損傷)
 
 
P1100217
(区間⑤ 2016/9/25 歩道のエグレと拡幅、複線化)
 
 
P1100202
(区間⑤逆 2016/9/25 歩道拡幅と植生損傷)
 
 
P1100178
(区間⑤逆 2016/9/25 歩道拡幅と植生損傷) 
 
 
P1100177
(区間⑤ 2016/9/25 歩道のエグレと拡幅)
 
 
P1100164
(区間⑤ 2016/9/25 歩道のエグレと拡幅)
 
 
区間⑤ 継続観察地点 (5-194) - Spherical Image - RICOH THETA

(区間⑤ 2016/9/25 歩道のエグレと根損傷)
 
 
P1100145
(区間⑤逆 2016/9/25 歩道拡幅と植生損傷)
 
 
区間⑤ 崩落崖上の狭い歩道 スリップに南 - Spherical Image - RICOH THETA

(区間⑤逆 2016/9/25 レース中スリップ多発地点)
  
  
区間⑤ 崩壊崖迂回路 斜面上 - Spherical Image - RICOH THETA

(区間⑤逆 2016/9/25 崩壊崖迂回路斜面)


P1100111
(区間⑤逆 2016/9/25 左側を直進禁止ロープが無くなっている)
 
 
Imgp4243
(*参考* 区間⑤ 2016/9/24 レース中、泥濘状況)
 
 
 
調査区間⑥(崩壊崖の狭い歩道から大調整池北の涸れ沢まで) [主催者追い越し禁止区間]
 
 
 大調整池ダム脇の人口斜面を通過する区間も年々荒廃が進んでいる。外来種ハルザキヤマガラシが歩道脇に多数結実している区間では、歩道いっぱい踏み跡がみられた。また、涸れ沢が増水したため数百人のランナーが渋滞した際、斜面にあらたな踏み跡道がつくられた。
 
 
P1100103
(区間⑥ 2016/9/25 通行禁止歩道の崩れ)
 
 
Simgp4134
(*参考* 区間⑥ 2016/9/22 右側の歩道通行を迂回指示するマーキング)
 
 
P1100101
(区間⑥ 2016/9/25 人工斜面の植生損傷)
 
 
Sec604_2
(区間⑥ 2016/9/25 人工斜面の植生損傷)
 
 
Sec601_2
(区間⑥ 2016/9/25 外来種の実を踏みつけ懸念)
 
 
Imgp4142
(*参考* 区間⑥ 2016/9/22 踏み跡脇に外来種の結実)
 
 
Sec602
(区間⑥ 2016/9/25 左側 涸れ沢の増水時、多数のランナーが渋滞したときにできた新たな踏み跡)
 
 
Sec603
(区間⑥逆 2016/9/25 同地点エグレ、植生損傷)
 
 
 
ゴミ回収 18個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
1.紙 1 (7)紙片 1
3.プラスティック 14 (3)菓子容器 2 (5)破片 10 (6)その他 2
6.鉄 3 (7)その他 2 (8)アルミ飲料缶 1

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年10月 7日 (金)

実行委員会主催の「 最終コース説明及び環境モニタ リングについての説明会」

 時の流れが前後するが、開催前に参加した主催者説明会での対話と、その際お願いした私達の「要望書」を共有させていただきたい。
 

 実行委員会主催で「ウルトラトレイル・マウントフジ 2016 最終コース説明及び環境モニタリングについての説明会」が去る 9 月 2 日に開催された。実行委員会、裾野市、須山口登山歩道保存会、地権者の須山振興会、国からは沼津自然保護官事務所、富士五湖自然保護官事務所、静岡県からは自然保護課が出席していた。関係団体として富士山エコレンジャー連絡会も出席要請を受け参加した。
 
 私たちは第一回レースが実施されて以来、今回まで須山口登山歩道を中心に、現地を度々訪れてレースの影響をモニタリングしてきた。通算43日、延べ123人日をかけた現地環境調査の結果をふまえ、その都度、提案やお願い、要請書の提出を続けている。モニタリングを元にした要望は、主催者側にとって耳が痛い内容かもしれない。過去4回はその要望に返答はなかったが、今回初めて主催者説明会に富士山エコレンジャー連絡会を招き、説明しようとする姿勢は、大きな変化と思えた。
 
 
 
①主催者のコース及び環境モニタリングの説明と感想
 
●村越実行委員会副委員長から「自然環境に配慮した持続可能な大会運営のために」という主旨説明があった。説明では、行動規範やコース設定や大会の際の配慮事項がたくさん挙げられていた。
だが、結果的に私達の要望は実現すること無く、今年も荒廃著しい黒塚・須山口登山歩道をコース利用するという。

「あなたが決断したことについて、私はなんとも言えません。結果を見て初めて、称賛されるべきかどうかがわかるということだけ、言っておきます。(マハトマ・ガンジー)」。大切なことは、決めたことは良い結果を出すということだと思っている。

●千葉事務局長から、コースの紹介と調査箇所が説明された。須山口関連では、調査箇所は昨年の 1 箇所から 5 箇所に増加した。だが、過去 4 回利用され続け、年々荒廃が進んでいる崩壊崖上の狭い歩道区間が含まれていない。一般来訪者の安全確保も考慮して、調査箇所に追加をお願いした。黒塚、須山口登山歩道区間の大部分は追い越し禁止区間に設定され、はみ出し防止にロープを設置するとのことだが、実行委員会の禁止措置が選手に守られるよう監視など対応をお願いした。

●富士山ではトレイル率(コースのうち未舗装の歩道が占める%)が現在 69%で、国際基準は 80%との説明があった。湿潤で火山が多い日本の環境特質を考えた場合、トレイル率は低いほど自然環境に配慮した持続可能な大会であり、そうした日本基準を世界に発信して欲しいとお願いした。
富士山を冠する大規模な大会だ。特に富士山という場の特質も考えて欲しい。富士山は世界文化遺産に登録され世界に保全を約束している。私達が調査区間としている黒塚、須山口登山歩道は、世界文化遺産の効果的な保全を目的として資産の周辺に設定した緩衝地帯や自主的な管理に務める保全区域に設定されている。構成要素、構成資産に登録されている区間の須山口登山道と深い関わりがある場所だ。

●今回の説明で、主催者の調査箇所の増加、モニタリングの継続やレース実施ルールの厳格化など主催者の対応に変化がみられた事は、今まで継続し続けてきた私達の調査活動が、主催者や環境省をはじめとする関係者に一定の理解をいただいたと言えるかもしれない。
今後共、主催者が適切な環境モニタリングを継続され、その結果に対応する順応的管理がより実効的なものになるよう、引き続き活動していきたい。
 
 
  
②富士山エコレンジャー連絡会からの要望と対話を通じて思ったこと
 
●過去 4 回のウルトラトレイル・マウントフジに対して、富士山エコレンジャー連絡会からは、提案や要望を続けている。2013 年、2014 年は調査報告書での提案、2015 年は、初めての意見交換会での要望書、合同現地調査での環境アセスに基づくお願いをしてきた。

そして今回、昨年のレース前後から、2 月、5 月、7 月の追加調査に基づいた2016年開催に対する要望書を説明した。実行委員会から、すぐに検討、対応するといった反応はなかった。

●現場の実情を知っている方は少ないと思われるので、富士山エコレンジャーが昨年調査した 215 箇所のレース実施前、実施後、1 ヶ月後、10 ヶ月後(主催者土留め対策後)の比較写真と、昨年は利用されなかったが 2014 年まで 3 回連続利用され、著しく荒廃した箇所の比較写真を回覧し見てもらった。

●地域振興はとても重要な事だ。自然環境の保全と継続可能な利用が地域振興につながってほしい。だからこそ、レースによって激変した登山道や周辺の自然をしっかり調査し、適切なコース選定や実施時期の検討、適切な保全管理をして欲しい。

●須山口登山歩道は、その自然や文化、歴史に親しみ、大切にしたいと思っている一般来訪者も利用している。大規模レースのコース継続利用で、急速に荒廃がすすむ様子を見ると、公共の登山歩道では、そうした他者への影響も配慮いただきたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年10月 1日 (土)

活動報告 2016-09 植生保全環境調査(レース実施当日)

活動日時  2016年(平成28年)9月24日(土)13:00 - 18:00 
活動区域  須山口弁当場→黒塚→大調整池北→須山口弁当場
天候     雨
参考     山頂(13時) 気温 1.4゜C、湿度100%、650.0hPa



2016
(UTMF/STYコース【赤線】と調査区間)
 
 
 
 レース実施当日、ランナー最後尾通過をスイパー・スタッフに確認してから、2016年ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)調査区間(上図、区間⑦~区間⑥)、別荘地東側の鉄塔下(標高1,100m)から黒塚中腹(同1,193m)、フジバラ平(同1,155m)を経て大調整池北(同1,230m)までの歩道を歩き、レース直後の様子を観察し、ビデオと写真で記録した。
 
 9月になって、台風16号や秋雨が続き、9月22日の事前調査時も雨、23日にも降雨があり、24日のレース当日も朝からかなりの雨が降り、12時のSTYスタート直前には雷鳴がとどろき、ランナーの調査区間通過時には、大雨だった。
 
 調査区間⑥の涸れ沢が増水したため通過できなくなり、数百人のランナーがこどもの国へ戻った。私達はフジバラ平で戻るランナーを待ったため、黒塚周辺の区間⑦から区間④までの記録は、帰りのランナーが通過していないときの状態。




ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)2016植生保全環境調査(実施当日)


 全調査区間に渡り、歩道路面の破壊、歩道拡幅、植生損傷など歩道や歩道周辺環境の荒廃が顕著。また、崩壊崖下の狭い歩道の危険箇所(調査区間⑤)で多数のランナーがスリップした。涸れ沢を使った須山口登山歩道で、急激な増水によってランナーが流され、助けられたと主催者が報告している。昨年来の私達の調査や意見交換会での討議、提案がほとんど活かされていない。
 
 
 
調査区間⑦(別荘地東の鉄塔から、黒塚の上りにかかる鉄塔まで)
 
 
Imgp4209
(区間⑦ ランナー最後尾通過時、豪雨)
 
 
Imgp4211
(区間⑦ 多量の雨で歩道は水が流れている)
 
 
Imgp4212
(区間⑦ 歩きにくいため踏み跡が拡大)
 
 
Imgp4213
(区間⑦ 歩道のエグレ、雨粒が大きく白線で写るほど)
 
 
 
調査区間③(黒塚鉄塔から、放射谷群南端まで上り斜面)
  
 
Imgp4216
(区間③ 階段の丸太流出)
 
 
Imgp4222
(区間③ 階段の丸太流出)
 
 
Imgp4220
(区間③ 表層が崩壊。樹木の根露出損傷)
 
 
Imgp4218
(区間③ 表層が流出し。樹木の根が露出損傷)



調査区間④(放射谷群南端からフジバラ平まで主として下り斜面)

 
Imgp4228
(区間④ 根の露出損傷)
 
 
Imgp4229
(区間④ 階段の丸太流出)
 
 
Imgp4230
(区間④ 泥濘状況)
 
 
03
(区間④ 緩傾斜部の拡幅、植生損傷)



調査区間⑤(フジバラ平から崩壊崖の狭い歩道まで)

 
 
Imgp4242
(区間⑤ 歩道表層の破壊、泥濘)
 
 
Imgp4243
(区間⑤ 泥濘状況)
 
 
06
(区間⑤ 泥濘、歩道拡幅と植生損傷)
 
 
Imgp4246
(区間⑤ 丸太階段脇の通過)



実施前(2016/9/22)と実施直後(2016/9/24)との比較


Imgp4086
(2016/9/22 フジバラ平貯水池の増水状況)
 
Imgp4238
(2016/9/24 フジバラ平貯水池の増水状況)
 

 
Imgp4051
(2016/9/22 区間③ 昨年の主催者調査地点)
 
Imgp4051n
(2016/924 同地点)
 
 

Imgp4070
(2016/9/22 区間④昨年は根の踏みつけ損傷)
 
Imgp4070n
(2016/9/25 逆方向から 今年も根の踏みつけ

 
 
Imgp4074
(2016/9/22 区間④ 下り斜面の丸太階段)
 
Imgp4236
(2016/9/24 同地点 丸太移動)
 

 
Imgp4077
(2016/9/22 区間④ 継続調査地点)
 
Imgp4077n
(2016/9/24 同地点)
 
 

Imgp4081
(2016/9/22 区間④フジバラ平 継続調査地点)
 
Imgp4081n
(2016/9/24 同地点)
 
 

Imgp4091
(2016/9/22 区間⑤ 継続調査地点)
 
Imgp4091n
(2016/9/24 同地点)
 
 

Imgp4098
(2016/9/22 区間⑤ 継続調査地点)
 
Imgp4098n
(2016/9/24 同地点)
 
 
 

 崩壊が進む崖(落差20m以上)上の狭い歩道にある危険箇所。私達の報告書(2015年版報告書21頁)や合同現地調査で、主催者と登山歩道保存会に来訪者の安全確保のため対応を再三、お願いしている。今回もレース中に、40件を超えるスリップや歩道からの飛び出しが記録された。


Imgp4101
(2016/9/22 区間⑤ 継続調査地点)
 
Imgp4101n
(2016/9/24 同地点) 
 
 
Slip03l
(2016/9/24 同地点 崖側へ飛び出し)
 
 
 
 涸れ沢(土石流危険渓流)を使った須山口登山歩道(調査区間⑥)で、急激な増水の様子が、ランナーによって記録され公開されている。「【トレイルラン】2016 STYに参戦して危うく溺れ死ぬところでした。【UTMF/STY】」 https://www.youtube.com/watch?v=otM8a_MPkoQ による。(貴重な映像で参照させてもらいました)
 
 
(2016/9/22事前調査時の 区間⑥ 涸れ沢内の須山口登山歩道と比べて下さい。

Karesawa01
 
Karesawa02
 
Karesawa03
 
Karesawa04
 
 

 同じ公開映像には、富士市こどもの国でのSTYレースのスタートの様子が記録されている。雷雨の中、富士山南麓4市町の首長の号砲によってスタートした。各市町には、毎回、私達の調査報告は提出し、大規模トレイルラン・レースによる歩道や歩道周辺の環境への悪影響を報告している。昨年、今年と意見交換会や説明会、合同現地調査で荒廃の実態を説明しているが、首長には届いていないようだ。さらに、今回の状況で、首長がスタートの合図をしたということは、「降り続く雨によって南麓の側火山地帯の歩道がどういう状態になっているか」きちんと伝わっていないからと思われる。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年9月27日 (火)

活動報告 2016-08 事前調査

活動日時  2016年(平成28年)9月22日(木)8:00 - 13:00 
活動区域  須山口弁当場→黒塚→大調整池北→須山口弁当場
天候     雨
参考     山頂(10時) 気温 4.7゜C、湿度99%、651.0hPa
        河口湖上空3km SSE 13m/s(8時)


20160922

 別荘地東側の鉄塔下(標高1,100m)から黒塚中腹(同1,193m)、フジバラ平(同1,155m)を経て大調整池北(同1,230m)までの2016年度ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)調査区間(上図、区間⑦~区間⑥)レース実施直前(通過2日前)の現状確認を行った。富士山エコレンジャーの仲間たちと、ビデオ、写真撮影、レース実施前の土壌硬度を測定した。
 9月になって、台風16号や秋雨で降雨量が多い日が続いているが、調査日も朝からかなりの雨が降っていた。
 
 
 
ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)2016植生保全環境事前調査
 
 2016年7月末の確認時に比べて、黒塚の区間③、④では、部分的にコース・ロープが設置されていた。歩道の路面状況は、度重なる降雨によって含水量が多く、軟弱だった。1,000人を上回る大規模ランナーの連続踏圧が加われば、昨年と同様に、路面が泥濘化し(歩道表層の破壊)、歩きにくくなった歩道からのはみ出し(植生損傷)が容易に予想された。また、ランナーや一般来訪者の安全面で懸念を持った。
 二箇所の調整池は増水している。また、須山口登山歩道に使われている涸れ沢も、雨が少し強くなると見る間に増水した。この涸れ沢は土石流危険渓流に指定されている。
 
 
Imgp4051
区間③ 黒塚登り斜面。ロープが設置されていた。
 
 
Imgp4070
区間④ 昨年から利用の黒塚下り斜面
 
 
Imgp4101
区間⑤ 過去4回利用した崩壊が進む崖上の危険箇所
 
 
Imgp4142
区間⑥ 外来種ハルザキヤマガラシの実散布
 
 
Imgp4086
フジバラ平の調整池 増水し植生が水没
 
 
Imgp4165
普段は水が無い大調整池も増水
 
 
Imgp4158
調査区間⑥終端の普段は涸沢の登山歩道
 
 
Imgp4161
同地点、雨が強く降り出すと、見る間に増水
 
 
 
レース実施前の土壌硬度

 各調査区間で山中式土壌硬度計を使用して土壌硬度を測定した。各区間で傾斜をもとに3地点を選び、各地点では歩道中央部を3回ずつ計測し平均値を求めた。
 
 
20160922_2


 中山式土壌硬度計のメーカーによれば、測定値は「土壌基盤の支持力、安定性」を示し、その指示硬度指数(mm)は、土壌支持力強度(kgf/cm2)を表す。それらの対応関係は指数関数的に増加する(下図グラフ)。
 過去4回、主催者は須山口登山歩道におけるレース実施前の土壌硬度測定値を公表している(下図星印)。また、私達の調査では、調査区間全域でレースによる登山道表層破壊、拡幅、複線化や植生損傷など荒廃を記録している。
 これらのデータを突き合わせると、硬度計指数15mm未満(下図の赤色部分)の軟弱な須山口登山歩道において、土壌支持力を大きく上回る負荷(走行による衝撃とその繰り返し)によって、登山道表層の破壊を招き、荒廃が加速されたことが記録されている。
 
 
Photo
 
 
 今回計測した2016年レース実施前のコース土壌支持力は15地点平均で9.6mmと昨年主催者によって1地点で測定された土壌硬度を下回っている。現在の軟弱な路面状況で実施すれば、昨年と同様、黒塚、須山口登山歩道では、歩道表層の破壊、荒廃箇所を避けるため歩道の拡幅や複線化を招き、植生損傷が高い確率で発生すると考えられる。また、実施中は、崩壊が進む崖上の狭い歩道でのスリップや土石流危険渓流になっている涸れ沢での急激な増水など安全面での懸念がもたれる。さらに、実施後、須山口登山歩道来訪者の安全にも影響を及ぼすおそれがある。
 
 
 
歩道上の小動物
 
 区間⑤で歩道を横断するヒキガエルを見た。夜行性のモリアオガエルは見なかった。
 
 
Imgp4131


| | コメント (1) | トラックバック (0)

2016年9月19日 (月)

活動報告 2016-07 富士宮口環境パトロール(合同研修)

活動日時  2016年(平成28年)9月17日(土)10:00 - 13:00 
活動区域  富士宮口五合目→富士宮口六合目→宝永火口縁→富士宮口五合目
天候     曇り
参考     山頂(10時) 気温 3.6゜C、湿度100%、650.4hPa
        河口湖上空4km W 12m/s(10時)

 今夏三回目の合同研修形式の環境パトロールに参加した。一回目は開山前の富士宮口、二回目は、8月、雨の須走口、そして今回は、閉山後の富士宮口。
20160917map


 環境パトロール終了時の記念写真。みんな大好きな富士山の恵みを受けながら、来訪者の方と自然環境保全の対話ができ、いい顔をしている。
P1100095


 富士山エコレンジャーは、ふじさんネットワークの会員の中で、富士山憲章に賛同し、ボランティアで活動している有志。富士山の自然環境保全や継続可能な利用のお役に立ちたいと十数年活動を続けている。

静岡県が発行している「富士山の自然と恵み」

 
 この小冊子は、富士山の自然のすばらしさと環境に配慮した親しみ方などをコンパクトにまとめてあり、なかなか読み応えがある。その24頁、25頁に、富士山憲章やふじさんネットワーク、富士山エコレンジャーが紹介されている。

Shizuoka
 
 

 
閉山後の登山者
 閉山したが、午前10時の時点で、五合目スカイライン道路ループ内の駐車場はほぼ満杯。未明に上り始め、山頂から下山してきた登山者の方数名と会話した。携帯トイレの携行や登山届の提出を数人に聞いた。ネット経由で登山届を提出できることを知っている登山者もいたが、提出者はいなかった。また、携帯トイレの携行者もいなかった。閉山後は、山小屋も閉鎖されトイレが使えない。小屋周辺での野外排泄が大きな課題となっている。
Img_20160917_013417
 
 
 
宝永第一火口、宝永山への来訪者
 宝永第一火口から、宝永山にかけて数十人規模のパーティが散見され、閉山後からスカイライン自動車道閉鎖までの秋シーズンは、宝永山への来訪者が多い。宝永山周辺での野外排泄も解決すべき課題だ。携帯トイレの使用など実施すべき時期に来ていると思う。
 宝永第一火口では、今夏、規模が大きい落石が何度か見られているので、休憩している来訪者にエコレンジャー諸氏が「休憩するときは、落石が発生する北側を注視しましょう」と呼びかけていた。9月2日の落石ニュースが伝わったためか、全員がヘルメットを着用した団体がいた。
 宝永第一火口底の規制ロープの北側は植生の回復がみられた。ロープを超えて規制区域に入っている来訪者はいなかった。
P1100035
宝永第一火口底
 
 
P1090990
宝永第一火口壁の中央、落石、崩落箇所(水ヶ塚から望む)


宝永第一火口 2016/9/17 - Spherical Image - RICOH THETA





歩道複線化による植生損傷
 宝永第二火口から富士宮口五合目への遊歩道区間で、以前から複線化、植生損傷が指摘されている箇所は、ますます歩道の複線化や拡幅がすすみ、本来の歩道がどれかわからないほどだった。今年7月の開山前の合同研修環境パトロールても報告したが、荒廃の拡がりを止めるために、どれか一つの歩道のみ利用させる対応(ロープ規制など)や注意喚起はみられなかった。
 ロープで規制されているにもかかわらず、白紙をパウチした手作りの標識で誘導された踏み跡は、樹木の根がむき出し、ここも侵食がすすんだように思えた。ボランティアが足でかせいだ環境パトロールの報告は、歩道管理者に届いてほしい。
Img_20160917_033400
複線箇所(東側から)


Img_20160917_033548
複線箇所(西側から)
 
 
Img_20160917_033955
侵食が進み、樹木の根がむき出し状態
 
 
 
ブルドーザ道始点の土壌侵食
 五合目ループ道路東側のブルドーザー道始点付近周辺は、土壌侵食がひどく、放置すれば、樹木など植生への影響が懸念される。
P1100091
大雨の影響か 
 
 
P1100089
同地点拡大
 
 
 
ゴミ回収 21個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
1.紙 6 (5)タバコ吸殻 4 (7)紙片 2
3.プラスティック 8 (3)菓子容器 2 (5)破片 5 (6)その他 1
5.ビニール 2 (3)紐 1 (5)その他 1
6.鉄 2 (7)その他 2
7..ガラス 1 (3)破片 1
8.ゴム 2 (3)加工付属品 1 (5)その他 1

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月24日 (水)

活動報告 2016-04 須山口登山歩道環境パトロール

活動日時  2016年(平成28年)7月30日(土)9:00 - 16:00 
活動区域  須山口弁当場→黒塚→大調整池北→須山口弁当場
天候     晴れ
参考     山頂(9時) 気温 9.4゜C、湿度28%、651.1hPa
        河口湖上空3km SE 5m/s(9時)


 7月末、須山口登山歩道の環境パトロールにでかけた。昨年9月に開催された大規模トレイルラン・レースで利用された区間を歩いた。ひどい荒廃が見られた区間だ。レース実施10ヶ月後の歩道や周辺の状況を記録した。
 
 
20160730_3
 
 
 
黒塚・須山口登山歩道
 

 弁当場からフジバラ平付近までの区間で、レース直後にひどく荒廃した歩道や、その後、土壌侵食がみられた地点には、丸太階段や歩道に沿った丸太が設置されていた。ここは、多雨で側火山特有な土壌であり、かつ、急傾斜地。放置すれば、土壌流出が進む。丸太の設置対策で歩道の保全にどの程度つながるか、見守っていきたい。
 
 
20160730_643_659_2
2016/7/30 丸太階段の設置例
 
 
311220160730
2016/7/30 歩道に沿った丸太設置の例
 
 
 20160730
確認した荒廃箇所対応状況
 
 
20160730_2
同グラフ 左軸: 荒廃箇所数 右軸: 対応率
 

 
大規模トレイルランレースが反時計回りで利用される場合、上り区間となる黒塚の南側では、荒廃箇所に対して急斜面では約6割程度対応されていた。ただ、階段幅が狭いため、この区間がレースに利用される場合、追い越し禁止にして、ロープを設置したりして、植生への踏み出しを防ぐ対応が求められる。昨年は、80kmを走ってきた一周組の後方ランナーと、スタート間もない元気な半周組のトップ・ランナーとが混じって通過する区間だったため、追い越しに際して歩道を外れ、植生への踏み込みがひどかった。

 
 一方、黒塚北側放射谷群の下り区間では、 上りに比べ、丸太階段の設置が著しく少なく、侵食が進んでいるのに1割強の対応(上記表、グラフの黄色部分)にとどまり、十分な対応が取られていない。
 
 
昨年の荒廃地点(4-158)

415820150913_2
2015/9/13 レース実施前
 
 
415820150927_2
2015/9/27 レース実施後
 
  
415820160730_2
2016/7/30 レース実施10ヶ月後
 
 
415820160730e_2
2016/7/30 レース実施10ヶ月後 逆方向から見る
 
 
 黒塚最北端の下り斜面は、樹木の根がひどく露出し、丸太階段が設置されているものの、土壌硬度は山中式土壌硬度計で平均8mm程度で、過去の須山口登山歩道の荒廃を引き起こした箇所の土壌硬度と同程度か下回っている。このような支持力の低い歩道を、大規模トレイルラン‥レースで使用すれば、再び荒廃を繰り返すおそれがある。
 
 
昨年の荒廃地点(4-168)
 
416820150913_2
2015/9/13 レース実施前
 
 
416820150927_2
2015/9/27 レース実施後
 
 
416820160730_2
2016/7/30 レース実施10ヶ月後
 
 
416820160730e2_2
2016/7/30 レース実施10ヶ月後 横方向から見る
 
 
 
 2012年、2013年、2014年、2015年と4年連続して利用された須山口登山歩道区間は、放置されたままで、樹木の細根が多数露出するなと荒廃が進行していた。
 
 
20160730_496_659_2
崖上の狭い歩道 2016/7/30 2015 年レース 10 ヶ月後
 
 
 
 2012年、2013年、2014年と 3 年連続して利用され、2015年は利用されなかった歩道は、コース利用がなくなっても、適切な修復工事を行わないかぎり、土壌侵食が加速している。
 
 
20160730_363_659_2
埋設ホースの斜面 2012 年以前はホースが土の中に隠れていた。定規が示す通り約25cmを超えて土壌侵食が進んでいる。
 
 
20160730_404_659_2
土壌が軟弱で、多雨の環境が特質の土地人形斜面では表層破壊、歩道拡幅複線化、土壌侵食が加速。
 
 
 
最近この区間で急増している外来種ハルザキヤマガラシ(要注意外来生物 類型 2)が大調整池東側登山歩道内で結実
 
 
Imgp3932_2
2016/5/8 ハルザキヤマガラシの開花
 
 
20160730_450_659_2
2016/7/30 ハルザキヤマガラシの結実
 
 
 
フジバラ平のカエル類

 
 フジバラ平の調整池では、例年多くのカエルの卵塊をみかける。 
20160730_5_659_2


 オタマジャクシや尾のついた子ガエルも見かけた。
 
20160730_171_659_2


20160730_63_659_2

 7 月末に産卵していた。そうすると、9 月中旬、遅いものでは下旬に産卵池を出て陸へ移動すると思われる。カエル類の行動半径は、テレメートリー調査によって、ある種は、産卵場所から 150m 程度といわれている。実際は 1km を超える種もいるとの報告もある。フジバラ平の産卵池から 150m の範囲は左図の黄色部分。昨年は、この黄色のエリア内で、歩道を外れ、植生の中を直接、調整池脇に出るようコース設定された。


Photo
黄色は産卵池から 150m 圏、赤点線部分は歩道外に新たにつくられたコース
 
 
417920150927_2
2015/9/27  レース実施後。歩道を外れ直接、産卵池へ向かうコース。植生が損傷し、あらたな小道ができた。
 
 
 カエルは種によって夜間に活動する。ランナーの物音やライトがカエル類の生態に影響するおそれがある。最悪、踏み潰す懸念すらある。フジバラ平の調整池は富士山南麓で最も標高の高い(約1,150m)産卵池のひとつ。貴重な場所だ。小さな生き物たちへの配慮をお願いしたい。
 
 
 
ゴミ回収 30 個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
1.紙 4 (7)紙片 4
3.プラスティック 17 (1)ペットボトル 1 (3)菓子容器 5 (5)破片 10 (6)その他 1
5.ビニール 3 (3)紐 3
6.鉄 6 (2)飲料缶 2 (7)その他 4


| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧