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2021年5月18日 (火)

環境パトロール (2021-06) 自然休養林のハイキングコース I

日時 2021年(令和3年)5月15日(土)  8:30 - 12:30
区域 自然休養林Iコース(御殿場口新五合目・幕岩・二ツ塚)
天候 曇り/ 晴れ
山頂 (8時) 気温0.2℃、湿度 58%、647.5hPa
河口湖 (8時)上空4km WNW, 6m/s

 

 

昨年11月の合同環境パトロール以来6ヶ月ぶりに、自然休養林Iコース(御殿場口新五合目・幕岩・二ツ塚・御殿場口新五合目)を巡回した。

御殿場ガイド協会初代会長の川口さんをお招きし、コース周辺の植生などを解説いただいた。貴重なお話ありがとうございました。

 

御殿場口五合目へのアクセス道路が4月末に開通し、来訪者は多かった。Iコースで出会った来訪者は12人。御殿場口駐車場では10名を超えるトレイルランナーのグループに出会った。

 

 

御殿場口新五合目駐車場

2019年の開山期とは違って、御殿場口新五合目の第一駐車場を利用できた。新五合目のトイレは新たにエコトイレにリニューアルされ来訪者の便宜が図られていた。御殿場市在住のエコレンジャーSさんに、エコトイレを解説してもらった。質疑応答で、数年来、御殿場市やトレイルステーションにお願いしている「携帯トイレ回収BOXの常時設置とトレイルステーションでの携帯トイレ販売(もしくは、協力金のお礼に配布)」が話題となった。

 

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リニューアルされたエコトイレの説明。

 

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昼の第一駐車場

 

 

歩道とその周辺環境

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荒廃が多い箇所ほど濃い赤で表示、森林計画図、国立公園図

 

 

荒廃箇所は樹林帯の「傾斜地」に集中している。特に、Iコースの御殿場口新五合目・幕岩間。また、幕岩近くのFコース世界文化遺産「須山口登山道」の幕岩上・須山口下山歩道一合五尺間。ともに、歩道の拡幅や複線化と樹木根や植生損傷が目立った。

水切りの設置など補修作業は定期的に行われている。しかし、近年は衝撃が大きな集団走行やランナーのタイムトライアル、大勢の来訪者など歩道や周辺への負荷が急増しているため保全が追いつかない。

踏みつけを避ける木道設置やガイドロープによる誘導など歩道周辺の植生保全により、来訪者に安全安心で変化に富んだ自然に親しめる、質の高い自然体験が提供できるようお願いしたい。

 

1)Iコースの御殿場口新五合目・幕岩間

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根の損傷、複線化部分の拡幅

 

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根の損傷、複線化部分の拡幅

 

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根の損傷、侵食段差

 

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根の損傷、歩道拡幅

 

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歩道侵食、複線化、植生損傷

 

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根の損傷、歩道拡幅、侵食段差

 

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根の損傷、歩道拡幅

 

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根の損傷、歩道拡幅

 

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ミズ道化、歩道拡幅

 

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歩道侵食、路肩通行による植生損傷

 

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歩道侵食、根の損傷、複線化

 

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歩道拡幅、根の損傷、植生損傷

 

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根の露出損傷、歩道複線化

 

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根の露出損傷、歩道複線化

 

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根の露出損傷、歩道拡幅、植生損傷

 

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歩道侵食、複線化

 

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根の露出損傷、歩道拡幅、植生損傷

 

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根の露出損傷、歩道拡幅、植生損傷

 

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根の露出損傷、歩道複線化、植生損傷

 

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根の露出損傷、歩道複線化、植生損傷

 

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根の露出損傷、歩道複線化、植生損傷

 

2)幕岩近く世界文化遺産「須山口登山道」の幕岩上・須山口下山歩道一合五尺間

幕岩近く世界文化遺産に登録された須山口下山歩道は、小さな尾根を緩やかに蛇行しながら登っている。協議会の標準補助標識も設置されている。その歩道の東側に、2013年の大規模トレイルラン・レース前後に直線的な踏み跡が付けられ、以降、その踏み跡を来訪者が利用し複線化した。この迂回路の東側、砂沢右岸は崩壊が年々拡大し、最短距離で約20数mまで迫っている。また、その上部では、直線的な踏み跡が加わり、本来の歩道の拡幅、複線化が生じている。世界文化遺産の歩道整備と、保全を前提とした利用が要請される。

 

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幕岩分岐より北、歩道拡幅、植生損傷

 

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分岐より南、本来の細い歩道が拡幅、樹木根の損傷

 

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歩道複線化、樹木根損傷、植生損傷

 

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歩道拡幅、複線化、植生損傷

 

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歩道直線化、植生損傷

 

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同地点、2013年4月、UTMF直後に直線化

 

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歩道複線化、直線化、樹木根や植生損傷

 

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同地点、2013年4月、UTMF直後、左側が歩道

 

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歩道東側、崩壊が進む砂沢右岸

 

 

幕岩から尾根上の幕岩分岐(須山口下山歩道)へつなぐ斜面の歩道は、2020年7月、同11月と比べ、侵食箇所の補修や新たなガイドロープ設置、締め直しなど整備されていた。崩落が進む砂沢右岸と同様な地質を持つこの急傾斜地に付けられた歩道は、定期的な補修にかかわらず、侵食と来訪者の踏圧によって荒れやすく、丸太階段が損傷し、複線化や拡幅、さらに周辺の植生損傷が起きやすい。

 

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階段補修が遅れ歩道拡幅、植生損傷

 

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階段の施工が難しく、侵食、植生損傷

 

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丸太階段は再整備されるが、歩道拡幅や植生損傷が見られる

 

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再整備された丸太階段

 

年々進む砂沢右岸の崩壊や過去の侵食状況から、急斜面の階段歩道は、現状では、これからの雨シーズンに侵食が一気に進む。通行困難な箇所を避け、歩道外への踏み出し(拡幅や複線化)によって、来訪者の通行へ悪影響を与え、歩道周辺の貴重な植物を損傷する恐れがある。大勢の来訪者の踏圧に耐えるには、専門家による調査を行い、本格的な整備が必要ではなかろうか。

 

 

施設

毎年の環境パトロールの度に報告している「二ツ塚下塚山頂の崩壊が進む石碑」、「歩道に露出しているワイヤーケーブル」、「大石茶屋西側の残置タイヤ群」は、そのままだ。

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二ツ塚下塚山頂の記念碑壁の崩壊

 

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同、基部の露出が進む金鳥居

 

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歩道にワイヤー再露出

 

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大石茶屋西側の残置タイヤ群

 

 

その他気づいた標識類。補修や配置などの再検討が望まれる標識、撤去が必要な私的マーキングなど。

 

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二ツ塚の協議会標準標識の摩耗

 

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二ツ塚・四辻間の標準標識一部破損

 

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四辻近く、歩道を外れた石にペイント

 

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四辻・幕岩間、表示のない案内板

 

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幕岩上、標準標識と目立つ私的マーキング

 

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御殿場口近く、損傷した標準標識

 

 

 

動植物

a)外来植物、移入植物

火山荒原では、外来植物のセイヨウタンポポが開花していた。多いところでは、一つのパッチに12個開花していた。樹林帯では、移入種のオオバコがみられた(下図参照)。来訪者が多い御殿場口新五合目駐車場付近では、セイヨウタンポポ類の駆除や駐車場の歩道入り口や樹林帯入り口付近に外来種や移入種の侵入防止対策(外来植物の注意喚起や外来植物防除マットなどの設置)が必要だと思う。

 

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黄色の丸は外来植物、移入植物の確認地点、背景は環境省の植生図

 

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外来種のセイヨウタンポポ

 

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移入植物のオオバコ

 

 

 

b)ニホンジカの食痕

 火山荒原では、カラマツの幹、枝にニホンジカによると思われる樹皮はぎや枝先の枯れがみられた。樹林帯では広葉樹の幹や根際や林床植物に食痕がみられた。

 

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赤色の丸は食痕の確認地点、背景は環境省の植生図

 

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カラマツの樹皮はぎ

 

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樹林帯広葉樹の樹皮はぎ

 

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根際の食痕

 

 

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ナナカマド樹皮はぎ

 

 

 

ゴミ回収  22個 (ゴミ収集記録(調査票に対応)

 

1.紙 2 紙片 2
2.布 3 衣類 2 切れ端 1
3.プラ 9 菓子容器 3 破片 4 その他 2
5.ビニール 1 紐    1
6.鉄 6 飲料缶 6
8.ゴム 1 その他 1

 

 

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