活動報告 2019-01 須山口登山歩道の合同環境パトロール 「その後の須山口・黒塚」
活動日時 2019年(平成31年)4月20日(土)9:00 - 13:00
活動区域 須山口登山歩道(水ヶ塚公園→黒塚→弁当場)
天候 水ヶ塚(9時) 曇り、気温 7℃
年度が改まって初めての合同環境パトロール。
水ヶ塚から下は深い霧。上空は晴れていて、時々富士山が顔をだす。
周囲をよく見ながら記録していく環境パトロール。
富士山南麓の急傾斜地では、大量の雨や雪で侵食が進み、冬シーズンが終わると、歩道や周辺部で補修が必要になる。
昨年、保存会やボランティアの人達が石を積んで修繕してくれた場所でも、石段がずれ落ち不具合が生じている。
石段を支える土台の土が強度不足かもしれない。
土のうを積んだ補修箇所は見るたびに侵食がすすむ。
土砂移動防止の丸太も下側(谷側)斜面から崩れていく。
2012年以降2014年まで大規模トレイルラン・レースのコースとして利用され、歩道表面が荒れた場所。補修はされず、レース利用後の降雨によって侵食がすすみ、それが3年繰り返された。2012年当初、土の中に隠れていたホースがむき出し状態になっている。
初めて見た人は分からないと思うが、荒れが進んでいる。
2012年初めて大規模トレイルラン・レースで使用された直後。埋まっているホースは見えない。
主催者が2012年、2016年環境調査をして、レース後に変化があったと公表している場所も補修されていない。
2016年の雨でスタートした大規模トレイルラン・レース中、崩落が進む崖上の狭い歩道で、90件以上のスリップが多発した箇所も補修されていない。
黒塚北側の斜面。雨のレースのさなかに木の周りを踏みつけ、土がドロドロになって根が浮き出した箇所。更に荒れている。
主催者によって黒塚に設置された、土砂移動対策の丸太階段は流失したり、丸太材が腐朽して不安定。
歩道やその周辺で、土壌侵食や土砂流出、丸太階段の腐朽や流出など、今も影響がでている地点を、今回の環境パトロールの経路に沿って可視化(ヒートマップ化)してみる。黒点が多いところが荒れている場所だ。傾斜があり、柔らかな歩道に集中しているようだ。
(静岡県のCS立体図。黄色の線は環境パトロールのコース)
2012年から3年間、主催者は、富士山を周回するコース上の土壌硬度(土壌表層の支持力)調査を実施した。その貴重な記録によれば、静岡県側では、この須山口と天子山系の歩道が、「柔らかい」、つまり、支持力が低いことが明らかになった。歩道が柔らかいほど、大勢のランナーが通過すれば影響がでる。「雨天の場合は、さらに大きな影響が出る」ことを主催者は指摘している。
須山口で、2015年、2016年、雨天の中を大勢のランナーが一斉に通過し、渋滞し、歩道はドロドロに荒れ、周辺の植生が損傷した光景は記憶に新しい。まさに、主催者が指摘したとおりとなった。さらに、一旦、荒れた歩道は、保存会やボランティアのみなさんが補修しても、多くの人手をかけても、なかなか元に戻らない。ましてや、放置されたままの箇所は荒れる一方だ。
2012年以来、環境パトロールを継続し、大規模トレイルラン・レースの影響を記録してきた。コース利用された歩道周辺の経年変化の記録だ。須山口の環境パトロールをするたびに、天子山系北部やコースとして利用された(利用されている)富士山周辺の柔らかな歩道、登山道の現状が気がかりだ。
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