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2017年3月 4日 (土)

持ち込まない。持ち出さない。

 ふじさんネットワークが作成した「富士山に迫る外来植物」と題したクリアフォルダーをもらった。外来植物が与える影響が分かりやすく図示されている。このクリアフォルダーはふじさんネットワーク通信にも紹介されている。

 今まで、繁殖力旺盛な外来植物の侵入によって、富士山の貴重な植物が衰退する部分を主に注目していた。しかし、影響は、それにとどまらず食物連鎖や分解を通じて生態系全体に及んでくることが伝わってくる。
 
 
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(監修  増沢武弘 ふじさんネットワーク会長、 作成 ふじさんネットワーク事務局)
 
 

 静岡県が実施した外来植物の調査やボランテイアによる富士山自然環境保全活動の積み重ねから、富士山麓の外来植物侵入箇所も示されている。水ヶ塚駐車場ふきんには外来植物のハルザキヤマガラシが記されている。これは、私達の大規模トレイルラン植生保全環境調査で、須山口登山歩道や周辺で毎年確認し、拡散を懸念している外来植物だ。
 
 
201703clearholderback
(監修 増沢武弘 ふじさんネットワーク会長、 作成 ふじさんネットワーク事務局)
 
 
 
 日本でも有数の来訪者があり、国外からの観光誘致も盛んな富士山麓で、こうした外来植物の知識が広く普及し、持ち込み対策や除去活動が拡がることは大切だ。富士山の生態系の劣化を防ぎ、自然環境の価値が高まることにつながると思う。
 
 
 富士山の外来植物が話題になると、いつもちょっと心配していることがある。イタドリという富士山ではよく見かける植物だ。特に富士山固有の植物ではなく、日本全国、周辺の国々にも生息している。このイタドリは、富士山の生態系で問題になっている訳ではない。だが、園芸用として英国へ輸出されたものが、英国で旺盛に繁殖し周辺の環境へ悪影響を与えている。米国でも被害がでて、イタドリは世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合IUCN)に選定されている。
 
 富士山のイタドリが持ち出され、他国の自然環境に影響を与えていると言いたいわけではない。昨今のように山麓から、山頂まで多くの外国来訪者が訪れ、アウトドア活動を愉しむ国際的な時代には、外来種の生態系への影響は、外来種の持ち込みとともに、持ち出しにも気を配る必要があるのではないか。
 
 
 
P1000062
(ベニイタドリ イタドリの高山型、別名「フジイタドリ」、「メイゲツソウ})

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