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2016年11月30日 (水)

たくさんの"なぜ"

 モニタリング調査の報告をまとめ、5年におよぶ報告書や写真、映像を見ていると、大勢のランナーが繰り返し通過したあとの"富士山南麓の歩道(森の小径)"に幾つもの"なぜ"が浮かんでくる。


●昨年、酷く泥濘るんで著しい荒廃が見られた登山歩道で、"なぜ"、今年はさらに酷い荒廃が引き起こされたのか?
 
●私達の過去からのモニタリング結果や、とりわけ、昨年、今年の意見交換会、合同現地調査、要望書にて、過去に多くの影響がでた場所の迂回や雨天時の迂回路の準備をお願いしたにもかかわらず、"なぜ"、考慮されなかったのか。
 
●9月になって、まとまった降雨が続いて迎えた当日の大雨、雷雨の最中に、重大事故の発生や、通過による荒廃が予想される状況で、"なぜ"、大勢のランナーをスタートさせたのか? 主催者は、スタート前に、いつ、コース確認をしたのか?
 
●年間雨量3,500mmを超える富士山南麓で、月間雨量の最多月9月に"なぜ"、実施するのか?
 
●"なぜ"、富士山南麓の軟弱な歩道で、一周組を半周組が追い越し、両者の負荷が加わるコースどりなのか?
 
●そもそも、側火山の崩れやすい、現に崩壊や侵食が進んでいる、5年間の調査で検証された土壌支持力が小さい(軟弱な)歩道を、"なぜ"、大勢のランナーで利用し、侵食を加速させるのか?
 
●"なぜ"、夜間まで奥山の貴重な動植物の生息域を利用するのか?
 
●主催者の事前に5箇所の場所を決めて変化を見る調査方法で、"なぜ"、大半の荒廃が把握できるのか? 全区間を見て初めて、大半の荒廃が分かるのではないか。
、、、、、
 

 それぞれの"なぜ"には、それぞれの答えがあるのだろうが、もう一度、大勢のランナーが通過したあとの"富士山南麓の歩道(森の小径)"を見つめたい。

 

黒塚・須山口登山歩道の調査区間全体
 
Photo
(調査区間の航空写真 UTMF/STYコースは黄色点線、赤線は土石流危険渓流、紫エリアは土石流危険区域)
 
 
全調査区間に共通して、
 
1)地質: 側火山堆積物や土壌が浅く崩れやすい。
2)地形: 須山口登山道で過去に多くの荒廃箇所が出た、10度を超える急傾斜地が大半を占める。
3)気象: 過去30年間の年平均降雨量が3,000mmから3,500mmと多雨。
4)災害: 調査区間は全て土石流危険区域に指定されている。
5)来訪者: 2014年の調査では年間約1,300人が来訪し、その85%が大規模トレラン・レースの通過者。
 
 

全区間8倍速 (10分31秒)
 
 
 
区間ごと
 
区間⑦(別荘地北東~鉄塔) ほぼ等高線に沿う。鉄塔周辺に短い急傾斜地(25度以上)がある。
 

区間⑦(14分29秒)
 
 
 
区間③(鉄塔~放射谷群南端) 急傾斜(25度以上)を登る。今年主催者により、土砂移動防止の丸太階段と歩道に沿った縦置き丸太が設置された。
 

区間③(16分16秒)
 
 
 
区間④(放射谷群南端~フジバラ平) 急傾斜(25度以上)で下る。多数の放射谷をアップダウンする。一部、過去3回の大規模トレイルラン・レースによる荒廃が見られた須山口登山歩道(フジバラ平南東)がコースに設定された。
 

区間④(22分31秒)
 
 
 
区間⑤(フジバラ平~崩壊崖の狭い歩道) 崩壊崖上の狭い登山道を通過。過去4回の大規模トレイルラン・レースによる荒廃が見られた。
 

区間⑤(22分24秒)
 
 
 
区間⑥(崩壊崖の狭い歩道~涸沢出口) 大雨の際に急増水する涸れ沢を登山道に利用。過去4回の大規模トレイルラン・レースによる荒廃が見られた。涸れ沢での増水については、地域では知られており、私達も2012年の環境パトロールの報告で注意をよびかけた。


 

区間⑥(9分50秒)
 
 
 
  
 大規模トレイルラン・レースで利用される歩道の管理や荒廃の研究、歩道やその周辺の自然環境への影響に関心をお持ち方には、私達の「植生保全環境調査報告書」を送らせていただきます。
 
住所、氏名、利用目的を下記のコメント欄にて、ご連絡下さい(コメント欄への記入は表示公開しません)。折り返し報告書を郵送いたします。
 
お互いのモニタリング調査などの共有を通じて、自然環境の保全や持続可能な利用につながればと考えています。ご協力お願い致します。

  

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