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2016年9月27日 (火)

活動報告 2016-08 事前調査

活動日時  2016年(平成28年)9月22日(木)8:00 - 13:00 
活動区域  須山口弁当場→黒塚→大調整池北→須山口弁当場
天候     雨
参考     山頂(10時) 気温 4.7゜C、湿度99%、651.0hPa
        河口湖上空3km SSE 13m/s(8時)


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 別荘地東側の鉄塔下(標高1,100m)から黒塚中腹(同1,193m)、フジバラ平(同1,155m)を経て大調整池北(同1,230m)までの2016年度ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)調査区間(上図、区間⑦~区間⑥)レース実施直前(通過2日前)の現状確認を行った。富士山エコレンジャーの仲間たちと、ビデオ、写真撮影、レース実施前の土壌硬度を測定した。
 9月になって、台風16号や秋雨で降雨量が多い日が続いているが、調査日も朝からかなりの雨が降っていた。
 
 
 
ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)2016植生保全環境事前調査
 
 2016年7月末の確認時に比べて、黒塚の区間③、④では、部分的にコース・ロープが設置されていた。歩道の路面状況は、度重なる降雨によって含水量が多く、軟弱だった。1,000人を上回る大規模ランナーの連続踏圧が加われば、昨年と同様に、路面が泥濘化し(歩道表層の破壊)、歩きにくくなった歩道からのはみ出し(植生損傷)が容易に予想された。また、ランナーや一般来訪者の安全面で懸念を持った。
 二箇所の調整池は増水している。また、須山口登山歩道に使われている涸れ沢も、雨が少し強くなると見る間に増水した。この涸れ沢は土石流危険渓流に指定されている。
 
 
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区間③ 黒塚登り斜面。ロープが設置されていた。
 
 
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区間④ 昨年から利用の黒塚下り斜面
 
 
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区間⑤ 過去4回利用した崩壊が進む崖上の危険箇所
 
 
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区間⑥ 外来種ハルザキヤマガラシの実散布
 
 
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フジバラ平の調整池 増水し植生が水没
 
 
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普段は水が無い大調整池も増水
 
 
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調査区間⑥終端の普段は涸沢の登山歩道
 
 
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同地点、雨が強く降り出すと、見る間に増水
 
 
 
レース実施前の土壌硬度

 各調査区間で山中式土壌硬度計を使用して土壌硬度を測定した。各区間で傾斜をもとに3地点を選び、各地点では歩道中央部を3回ずつ計測し平均値を求めた。
 
 
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 中山式土壌硬度計のメーカーによれば、測定値は「土壌基盤の支持力、安定性」を示し、その指示硬度指数(mm)は、土壌支持力強度(kgf/cm2)を表す。それらの対応関係は指数関数的に増加する(下図グラフ)。
 過去4回、主催者は須山口登山歩道におけるレース実施前の土壌硬度測定値を公表している(下図星印)。また、私達の調査では、調査区間全域でレースによる登山道表層破壊、拡幅、複線化や植生損傷など荒廃を記録している。
 これらのデータを突き合わせると、硬度計指数15mm未満(下図の赤色部分)の軟弱な須山口登山歩道において、土壌支持力を大きく上回る負荷(走行による衝撃とその繰り返し)によって、登山道表層の破壊を招き、荒廃が加速されたことが記録されている。
 
 
Photo
 
 
 今回計測した2016年レース実施前のコース土壌支持力は15地点平均で9.6mmと昨年主催者によって1地点で測定された土壌硬度を下回っている。現在の軟弱な路面状況で実施すれば、昨年と同様、黒塚、須山口登山歩道では、歩道表層の破壊、荒廃箇所を避けるため歩道の拡幅や複線化を招き、植生損傷が高い確率で発生すると考えられる。また、実施中は、崩壊が進む崖上の狭い歩道でのスリップや土石流危険渓流になっている涸れ沢での急激な増水など安全面での懸念がもたれる。さらに、実施後、須山口登山歩道来訪者の安全にも影響を及ぼすおそれがある。
 
 
 
歩道上の小動物
 
 区間⑤で歩道を横断するヒキガエルを見た。夜行性のモリアオガエルは見なかった。
 
 
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2016年9月19日 (月)

活動報告 2016-07 富士宮口環境パトロール(合同研修)

活動日時  2016年(平成28年)9月17日(土)10:00 - 13:00 
活動区域  富士宮口五合目→富士宮口六合目→宝永火口縁→富士宮口五合目
天候     曇り
参考     山頂(10時) 気温 3.6゜C、湿度100%、650.4hPa
        河口湖上空4km W 12m/s(10時)

 今夏三回目の合同研修形式の環境パトロールに参加した。一回目は開山前の富士宮口、二回目は、8月、雨の須走口、そして今回は、閉山後の富士宮口。
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 環境パトロール終了時の記念写真。みんな大好きな富士山の恵みを受けながら、来訪者の方と自然環境保全の対話ができ、いい顔をしている。
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 富士山エコレンジャーは、ふじさんネットワークの会員の中で、富士山憲章に賛同し、ボランティアで活動している有志。富士山の自然環境保全や継続可能な利用のお役に立ちたいと十数年活動を続けている。

静岡県が発行している「富士山の自然と恵み」

 
 この小冊子は、富士山の自然のすばらしさと環境に配慮した親しみ方などをコンパクトにまとめてあり、なかなか読み応えがある。その24頁、25頁に、富士山憲章やふじさんネットワーク、富士山エコレンジャーが紹介されている。

Shizuoka
 
 

 
閉山後の登山者
 閉山したが、午前10時の時点で、五合目スカイライン道路ループ内の駐車場はほぼ満杯。未明に上り始め、山頂から下山してきた登山者の方数名と会話した。携帯トイレの携行や登山届の提出を数人に聞いた。ネット経由で登山届を提出できることを知っている登山者もいたが、提出者はいなかった。また、携帯トイレの携行者もいなかった。閉山後は、山小屋も閉鎖されトイレが使えない。小屋周辺での野外排泄が大きな課題となっている。
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宝永第一火口、宝永山への来訪者
 宝永第一火口から、宝永山にかけて数十人規模のパーティが散見され、閉山後からスカイライン自動車道閉鎖までの秋シーズンは、宝永山への来訪者が多い。宝永山周辺での野外排泄も解決すべき課題だ。携帯トイレの使用など実施すべき時期に来ていると思う。
 宝永第一火口では、今夏、規模が大きい落石が何度か見られているので、休憩している来訪者にエコレンジャー諸氏が「休憩するときは、落石が発生する北側を注視しましょう」と呼びかけていた。9月2日の落石ニュースが伝わったためか、全員がヘルメットを着用した団体がいた。
 宝永第一火口底の規制ロープの北側は植生の回復がみられた。ロープを超えて規制区域に入っている来訪者はいなかった。
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宝永第一火口底
 
 
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宝永第一火口壁の中央、落石、崩落箇所(水ヶ塚から望む)


宝永第一火口 2016/9/17 - Spherical Image - RICOH THETA





歩道複線化による植生損傷
 宝永第二火口から富士宮口五合目への遊歩道区間で、以前から複線化、植生損傷が指摘されている箇所は、ますます歩道の複線化や拡幅がすすみ、本来の歩道がどれかわからないほどだった。今年7月の開山前の合同研修環境パトロールても報告したが、荒廃の拡がりを止めるために、どれか一つの歩道のみ利用させる対応(ロープ規制など)や注意喚起はみられなかった。
 ロープで規制されているにもかかわらず、白紙をパウチした手作りの標識で誘導された踏み跡は、樹木の根がむき出し、ここも侵食がすすんだように思えた。ボランティアが足でかせいだ環境パトロールの報告は、歩道管理者に届いてほしい。
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複線箇所(東側から)


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複線箇所(西側から)
 
 
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侵食が進み、樹木の根がむき出し状態
 
 
 
ブルドーザ道始点の土壌侵食
 五合目ループ道路東側のブルドーザー道始点付近周辺は、土壌侵食がひどく、放置すれば、樹木など植生への影響が懸念される。
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大雨の影響か 
 
 
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同地点拡大
 
 
 
ゴミ回収 21個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
1.紙 6 (5)タバコ吸殻 4 (7)紙片 2
3.プラスティック 8 (3)菓子容器 2 (5)破片 5 (6)その他 1
5.ビニール 2 (3)紐 1 (5)その他 1
6.鉄 2 (7)その他 2
7..ガラス 1 (3)破片 1
8.ゴム 2 (3)加工付属品 1 (5)その他 1

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