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2016年8月24日 (水)

活動報告 2016-04 須山口登山歩道環境パトロール

活動日時  2016年(平成28年)7月30日(土)9:00 - 16:00 
活動区域  須山口弁当場→黒塚→大調整池北→須山口弁当場
天候     晴れ
参考     山頂(9時) 気温 9.4゜C、湿度28%、651.1hPa
        河口湖上空3km SE 5m/s(9時)


 7月末、須山口登山歩道の環境パトロールにでかけた。昨年9月に開催された大規模トレイルラン・レースで利用された区間を歩いた。ひどい荒廃が見られた区間だ。レース実施10ヶ月後の歩道や周辺の状況を記録した。
 
 
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黒塚・須山口登山歩道
 

 弁当場からフジバラ平付近までの区間で、レース直後にひどく荒廃した歩道や、その後、土壌侵食がみられた地点には、丸太階段や歩道に沿った丸太が設置されていた。ここは、多雨で側火山特有な土壌であり、かつ、急傾斜地。放置すれば、土壌流出が進む。丸太の設置対策で歩道の保全にどの程度つながるか、見守っていきたい。
 
 
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2016/7/30 丸太階段の設置例
 
 
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2016/7/30 歩道に沿った丸太設置の例
 
 
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確認した荒廃箇所対応状況
 
 
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同グラフ 左軸: 荒廃箇所数 右軸: 対応率
 

 
大規模トレイルランレースが反時計回りで利用される場合、上り区間となる黒塚の南側では、荒廃箇所に対して急斜面では約6割程度対応されていた。ただ、階段幅が狭いため、この区間がレースに利用される場合、追い越し禁止にして、ロープを設置したりして、植生への踏み出しを防ぐ対応が求められる。昨年は、80kmを走ってきた一周組の後方ランナーと、スタート間もない元気な半周組のトップ・ランナーとが混じって通過する区間だったため、追い越しに際して歩道を外れ、植生への踏み込みがひどかった。

 
 一方、黒塚北側放射谷群の下り区間では、 上りに比べ、丸太階段の設置が著しく少なく、侵食が進んでいるのに1割強の対応(上記表、グラフの黄色部分)にとどまり、十分な対応が取られていない。
 
 
昨年の荒廃地点(4-158)

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2015/9/13 レース実施前
 
 
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2015/9/27 レース実施後
 
  
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2016/7/30 レース実施10ヶ月後
 
 
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2016/7/30 レース実施10ヶ月後 逆方向から見る
 
 
 黒塚最北端の下り斜面は、樹木の根がひどく露出し、丸太階段が設置されているものの、土壌硬度は山中式土壌硬度計で平均8mm程度で、過去の須山口登山歩道の荒廃を引き起こした箇所の土壌硬度と同程度か下回っている。このような支持力の低い歩道を、大規模トレイルラン‥レースで使用すれば、再び荒廃を繰り返すおそれがある。
 
 
昨年の荒廃地点(4-168)
 
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2015/9/13 レース実施前
 
 
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2015/9/27 レース実施後
 
 
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2016/7/30 レース実施10ヶ月後
 
 
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2016/7/30 レース実施10ヶ月後 横方向から見る
 
 
 
 2012年、2013年、2014年、2015年と4年連続して利用された須山口登山歩道区間は、放置されたままで、樹木の細根が多数露出するなと荒廃が進行していた。
 
 
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崖上の狭い歩道 2016/7/30 2015 年レース 10 ヶ月後
 
 
 
 2012年、2013年、2014年と 3 年連続して利用され、2015年は利用されなかった歩道は、コース利用がなくなっても、適切な修復工事を行わないかぎり、土壌侵食が加速している。
 
 
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埋設ホースの斜面 2012 年以前はホースが土の中に隠れていた。定規が示す通り約25cmを超えて土壌侵食が進んでいる。
 
 
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土壌が軟弱で、多雨の環境が特質の土地人形斜面では表層破壊、歩道拡幅複線化、土壌侵食が加速。
 
 
 
最近この区間で急増している外来種ハルザキヤマガラシ(要注意外来生物 類型 2)が大調整池東側登山歩道内で結実
 
 
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2016/5/8 ハルザキヤマガラシの開花
 
 
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2016/7/30 ハルザキヤマガラシの結実
 
 
 
フジバラ平のカエル類

 
 フジバラ平の調整池では、例年多くのカエルの卵塊をみかける。 
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 オタマジャクシや尾のついた子ガエルも見かけた。
 
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 7 月末に産卵していた。そうすると、9 月中旬、遅いものでは下旬に産卵池を出て陸へ移動すると思われる。カエル類の行動半径は、テレメートリー調査によって、ある種は、産卵場所から 150m 程度といわれている。実際は 1km を超える種もいるとの報告もある。フジバラ平の産卵池から 150m の範囲は左図の黄色部分。昨年は、この黄色のエリア内で、歩道を外れ、植生の中を直接、調整池脇に出るようコース設定された。


Photo
黄色は産卵池から 150m 圏、赤点線部分は歩道外に新たにつくられたコース
 
 
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2015/9/27  レース実施後。歩道を外れ直接、産卵池へ向かうコース。植生が損傷し、あらたな小道ができた。
 
 
 カエルは種によって夜間に活動する。ランナーの物音やライトがカエル類の生態に影響するおそれがある。最悪、踏み潰す懸念すらある。フジバラ平の調整池は富士山南麓で最も標高の高い(約1,150m)産卵池のひとつ。貴重な場所だ。小さな生き物たちへの配慮をお願いしたい。
 
 
 
ゴミ回収 30 個 ゴミ収集記録(調査票に対応)
1.紙 4 (7)紙片 4
3.プラスティック 17 (1)ペットボトル 1 (3)菓子容器 5 (5)破片 10 (6)その他 1
5.ビニール 3 (3)紐 3
6.鉄 6 (2)飲料缶 2 (7)その他 4


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2016年8月18日 (木)

側火山エリアは迂回を

富士山周辺の歩道を2,000人を超えるランナーが走るレースが今年も開催される。富士山南麓の生物多様性が豊かな側火山エリアをコース利用する。
 

主催者や参加するランナーの方は側火山エリアを迂回して下さい。あらためて、お願いします」。

昨年、環境アセスに基いて、迂回をお願いしたにも関わらず、雨の中でさえ強行された。その結果、コース利用した歩道や、はみ出した歩道周辺がどんなに荒れたか、思い出して欲しい。


2016pointss
 
 
 
側火山エリアの自然度が高い歩道の迂回をお願いしているのには、過去の調査記録から理由がある。


 ①南麓側火山周辺の歩道は崩れやすい。土壌硬度が不足しており、大規模なランナーの走行、歩行通過を支持できない。


 ②側火山エリアは、多様な自然環境から、多様で貴重な動植物が生息している。夜間もふくめ、長時間の利用は、そこに生息する動植物に大きな影響がある。足元を照らすランナーのライトも、夜間活動に適応してきた動物には大きな脅威だ。


 ③その側火山エリアが、追い越し区間に使われている。一周組の遅いランナーを、走り始めで元気な半周組のランナーが追い越す。シングルトラックでの追い越しは、歩道外植生への踏み込みになる。


地形の凹凸が分かりやすい赤色立体地図でみると、傾斜があり崩れやすい側火山そのものや周辺部を過去4年コース利用していることが確認できる。

Redmap


貴重な富士山南麓側火山エリアの保全と持続可能な利用を願っています。

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