活動報告 14-03 ウルトラトレイル・レース直後の須山口登山歩道
活動日時 2014年(平成26年)4月26日(土)9:00 - 14:30
活動区域 須山口登山歩道
天候 曇り/晴れ 水ヶ塚 気温8゜C(8時)
参考 山頂 気温 -9.3゜C、湿度51%、644.7hPa(8時)
河口湖上空3km NNE 6m/s(6時)
富士山エコレンジャーの仲間とウルトラトレイル・レース直後の登山道を歩いた。
今回は月刊誌の編集委員の方が同行し、過去のインパクトや通過直後の生々しい状態を取材された。
直前のコース一部変更
須山口登山歩道への入り込み方が変更になっていた。3日前に歩いた時は、水源地や配水管設備にコース・マーキングがされていた。昨年のUTMFで2000人が通過した配水管のところは、右側の登山道が崩落し、配水管を交差して左側に踏み跡がついていた。また、大勢のランナーが夜中から朝にかけて、ここを通過すると配水管を踏んで壊れしてしまう懸念があった。ともかくコースから外れて「ホッ」とした。
水漏れがひどくなっていた。応急対応なのだろうか、配水管の下に登山靴が入れてあった。
2014年UTMF約1300人の連続踏圧の登山道への影響
傾斜のある登山道では、ランナーの通過後、今までのレースと同様に激しい路面表土層の破壊や植生の損傷がみられた。スキー場からの合流点では、2012年UTMFと同じショートカットが見られた。同じ場所で同様なインパクトがでるということは、地元自治体を含む主催者による環境調査や対応が不十分だということを示しているのかもしれない。繰り返される負荷で、だんだんひどくなっていく。
スキー場から須山口登山歩道への合流点は、V字型に折返すせいか、今年も2012年と同様にショートカット。
合流点から下の斜面(斜面距離49m)も同様。
標高1330m付近の傾斜部(斜面距離41m)
配水ホースの出方に注目。ホースも大勢に踏みつけられている。通過後(4/26)
2012年UTMF直後。2年前はほとんど配水ホースは見えない。
標高1320m付近の傾斜部(斜面距離30m)
同地点。近づくと、路面表土層が凄まじく破壊されている。今までホース左側の踏みつけや土壌侵食に加えて、路面全体にインパクトが広がった。年々、連続踏圧のインパクトが累積される。
涸れ沢の渡渉点。
地元の支援で補修された崩壊地直上の新迂回路
登山道からの逸脱
路面表土層の破壊や植生の損傷がみられるこの区間は、今後の南麓の多雨(年間3000mm)による土壌侵食被害が懸念される。
主催者側の環境調査地点
須山口登山歩道の標高1340mに設定された主催者側調査地点(番号7)では、道の両側にスジ糸用の設定金具を設置されている。およそ1m毎に固定金具が3箇所、道の両端に対になっている。この調査地点は、ほぼ平坦。北側に傾斜部があり、この2年間での土壌侵食が確認できる。平坦部に3箇所近接して調査する目的は何だろう。地元自治体も含む主催者の環境調査報告に注目しよう。
ゴミ回収 58個 (ゴミ収集記録(調査票に対応)
新しいものは、トレイルランナーが落としたものと思われる。排便後の紙もある。(トレイルラン・レースの規定には、携帯トイレの持参と紙の持ち帰りが明記されている。実行しましょう)
1.紙 6 (4)衛生物 5 (8)その他 1
2.布 2 (1)衣類 2
3.プラスティック 32 (1)ペットボトル 1 (2)弁当関係 2 (3)菓子容器類 2 (5)破片 15 (6)その他 10
4.ビニール 6 (3)紐類 4 (4)破片 2
5.鉄 8 (8)飲料缶 6 (2)その他 2
6.ガラス 4 (1)飲料ビン 1 (3)破片 3
なお、飴2、和菓子2、アーモンドチョコ5など菓子も回収した。
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コメント
まぁどう評価しようと、これが現実ですね。
「この程度だ」という声も聞こえる気もします。
投稿: もも | 2014年5月 1日 (木) 19時21分
もも様
コメントありがとうございます。これから富士山南麓は日本有数の降雨をむかえます。この2年間の経験から言っても、崩れやすいトレイルは「どの程度」になっていくでしょう。また、お伝えしていきます。
投稿: 富士山エコレンジャー | 2014年5月 1日 (木) 20時42分