活動報告 13-12 須走口5合目周辺植生保全パトロール
活動日時 2013年(平成25年)11月3日(水)8:30 - 12:30
活動区域 須走口5合目周辺
山頂 気温 -18.6゜C、38%、627.3hPa(8時)
河口湖3km(8時) WNW 12m/s
須走口5合目(8時) -5゜C
植生保全パトロールに富士山エコレンジャーの仲間と参加した。
寒くなってきた。須走口5合目周辺は午前中-5~-3°C。
専門家の方に指導してもらい、植生への影響が懸念される荒廃箇所を記録していく。
もともとかすかな踏み跡だったところに人為により踏圧が加わった。この浸透能力が低くくなった斜面に強い降雨で表面侵食が発生する。土壌中に浸透できない雨水は地表流となって流れ下る。この地表流に雨滴があたると侵食を飛躍的に増大させる雨水流となる。雨水流による侵食は、地表流だけの10~100倍という。
同じ場所。5年の時間が過ぎると水路化しガリー化し、歩きにくくなると複線化する。
表面侵食を引き起こすのは、降雨だけではない。霜柱も急な斜面上では降雨による侵食量に匹敵する場合がある。
繰り返される霜柱は暖かな季節になると侵食されやすい柔らかな土壌をつくる。
降雨や霜柱による表面侵食(土砂流出)を防ぐには、人為による踏圧(特に過剰な連続踏圧)を避け、周囲の植生(とりわけ樹木)を損傷しないことが、もっともコストがかからない保全方法ではないだろうか。
落葉する針葉樹カラマツは厳しい冬の到来を告げている。
ゴミ回収 4個 (ゴミ収集記録(調査票に対応)
1.紙 1
(4)衛生物等 1
5.ビニール 1
(3)衣類 1
6.鉄 1
(8)その他 ストック先端 1
8.ゴム 1
(5)その他 ストックカバー 1
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コメント
結局、2次災害のほうが影響は大きいわけですねぇ。
投稿: もも | 2013年11月15日 (金) 22時26分
ももさん、コメントありがとうございます。
ご指摘のように、雨が多く斜面の登山道では連続踏圧の直接的な影響とともに、その後、雨や霜など気象要因による侵食が発生します。
日本を代表する環境アセス調査・研究機関のひとつ、プレック研究所のレポートに「踏みつけはここまで!-踏圧の蓄積と土壌の悪化- 関元聡 」
http://www.prec.co.jp/research/report/pdf/03072.pdf という富士山で行われた貴重な実験・調査報告書があります。過剰な連続踏圧によって、土壌や植生がどのように変化するか、また、その後の林床荒廃プロセスが考察されています。ご一読をお勧めします。
投稿: 富士山エコレンジャー | 2013年11月18日 (月) 11時34分