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2008年12月31日 (水)

2008年富士山の現場で感じた富士山の課題

①山頂部(国立公園特別保護地区)の自然環境荒廃、自然体験の劣悪化
  (オーバー・ユース、重機の使用などによるお鉢めぐり歩道の荒廃、コケなど山頂自然植生への悪影響、火口部への建築資材放置、閉山期を中心としたトイレ以外での排泄、山小屋での自販機設置、建物や岩への落書き、不法幕営など)

②ニホンジカの増加による自然林食害拡大
   (ブナ帯、亜高山帯、火山荒原の植生破壊拡大)

③富士地域のツキノワグマの絶滅危惧

④国立公園来訪者による登山道・歩道でのゴミ捨て
   (1パトロールあたり87.2個回収)などにみられる来訪者へのマナー啓発不足

⑤乗り入れ禁止地区への車馬の乗り入れによる植生破壊

⑥登山道・歩道の荒廃、標識体系の不備

⑦ビニール紐使用(標識マーキング、境界設置)よる生態系保全、景観保全への悪影響

⑧来訪者の国際化と外国人へのマナー啓発不足

⑨登山道とブルドーザー道の併用箇所の管理不在   
(安全性の欠如・登山道荒廃)

⑩山小屋跡など使用されていない建築物の放置(御殿場口)

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活動報告 08-27 ビニール紐は似合わない

活動日・時間 2008年(平成20年)12月31日(水)8:45 - 15:30 
活動区域 西臼塚駐車場、大宮(富士山)林道、二合目林道
天候 晴れ 参考: 山頂 気温 -22.4゜C、湿度28%、620.8hPa(11時)
                            河口湖上空3Km WNW 20m/s(11時)

南南西側の富士
P1050071 高さに応じて植生景観が変わっていく様がおもしろい。枯れた広葉樹と濃緑の針葉樹の織り成す冬の景観

ビニール紐の利用は控えよう
P1050130 二合目林道沿いで作業の境界設定にビニール紐が使われていた。ビニール紐が風で周囲の樹木と擦れ、細かく解れ(ほつれ)散乱している。解れたビニール紐は野鳥の巣作りに使われ、雛に絡んで雛が死亡する事故が起きる場合がある。ここは、国立公園特別地域に指定されている。美しい富士山にビニール紐は似合わない。生態系保全と景観保全のため、標識目的のマーキングを含めビニール紐は撤去しよう。お願いします。

 

ニホンジカの食害
P1050113 P1050112 咋冬、1月を過ぎると二合目林道、大宮林道では、ニホンジカによるウラジロモミやヒノキの人工林で樹皮剥ぎが多く観察された。今年も12月になり二合目林道、大宮林道にニホンジカが多く見られるようになった。12/31は16頭のニホンジカを目撃した。現時点では、新たなウラジロモミ、ヒノキの樹皮剥ぎはみられず、マユミやキハダの樹皮剥ぎが目立つ。積雪状態(1月後半以降)になると樹皮剥ぎの食性が変化するのだろうか。観察を続けたい。

動物たちの痕跡
Imgp3705 林道にはキツネやテンと思われる糞が多数残されている。雪が積もると動物達の足跡観察が楽しい。

 

 

ゴミ回収 137個 
ゴミ収集記録(調査票に対応)

大宮(富士山)林道、二合目林道沿いには飲み物の空き缶、ペット・ボトルなどのゴミが多い。付近にはツキノワグマをはじめとする野生動物が生息している。人工の味を覚え、人里に出没するおそれもある。ゴミは持ち帰ろう。

1.紙類
(5)タバコ吸殻 3
(7)紙片 1
(8)その他 たばこ箱 1
3.プラスチック類
(1)ペットボトル 7
(2)弁当関係類 7
(3)菓子容器類(飴)  8
(5)破片 40
4.発泡スチロール類
(4)破片 5
5.ビニール類
(1)衣類 1
(3)紐類 28
(4)破片 3
6.鉄類
(1)缶類 1
(2)飲料缶類 16
(7)その他 アルミ・テープ 1
(8)アルミ飲料缶 5
7.ガラス類
(1)飲料ビン 5
(2)破片 3

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2008年12月18日 (木)

富士山エコレンジャー研修会

12/14(日)沼津の静岡県東部総合庁舎で開催された平成20年度の富士山エコレンジャー研修会に参加

P1040742富士山の野生動物」講師はおなじみになった静岡県県民部環境局自然保護室の大場孝裕さん。伊豆でのニホンジカ調査から直接おいでいただいた。富士山で確認されている37種の哺乳類の中でも、富士山地域の絶滅のおそれのあるツキノワグマ個体群や国有林内で高密度化を示す富士山地域のニホンジカの説明は、何度うかがっても興味深い。

P1040823林野庁施策」は12/1に着任されたばかりの静岡森林管理署・寺田業務課長が解説された。前任の立花課長にはお世話になった。今回の研修会は引継ぎの一環とのことだったが、国有林とはから始まり、国有林の計画制度体系や富士山国有林について幅広い内容を要領よく教えていただいた。

Img 静岡県の国有林のパンフレットに手書きのイラストが描かれていて親しみやすかった。森林管理署の森林官・平田美紗子さんの作品だ。

 

 

   

P1040829環境省施策」は今年4月から担当されている沼津自然保護官の澤栗浩明さんに国立公園・国定公園制度の概要、富士箱根伊豆国立公園富士山地域の概要と環境省の取り組みといった観点からお話いただいた。来訪者数日本一の国立公園を本当に少ない人数の職員で担当されているご苦労を説明の節々に感じた。前任者の有山保護官と同様に協働していきたい。

昨日のエコレンジャー活動でみた自然林へのニホンジカ食害の件を、3人の方に同様に説明し、対応についてご意見をうかがった。県、林野庁、環境省の行政間や、研究者やわれわれ環境NPOもふくめた官民で、緊密な連携をとりながら実効性のある対応をとることが喫緊の課題と思った。「待ったなしだ」。 

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活動報告 08-26 自然林も大きな課題 ニホンジカの食害

活動日・時間 2008年(平成20年)12月13日(土)9:30 - 15:00 
活動区域 水が塚駐車場、須山口登山歩道1.5合目
天候 晴れ 参考: 山頂 気温 -10.5゜C、湿度31%、637.7hPa(9時)

冬の訪れ
P1040643 P1040684 水が塚から見上げる富士山も、森の入り口もすっかり冬の季節になった。


ニホンジカの食害
P1040658 P1040663 須山口登山歩道入り口から直ぐのマユミやリョウブの樹皮が剥がされている。毎年12月になると新しい食害が観察される。






ウラジロモミの立ち枯れ
P1040712 P1040729 須山口登山歩道1.5合目下のウラジロモミがとうとう立ち枯れた。昨年までは全周を樹皮剥ぎされていたが、緑葉をつけていた。今は茶色の枯れ木になってしまった。付近を歩くと、新たに6本の樹木が全周を樹皮剥ぎされ、立ち枯れていた。昨年までは、1本のみだったが、一挙に増えた。




生き物調査のセンサー・カメラから
Img_0400 水が塚周辺に設置しているカメラには、10月からの2カ月間、一部のニホンアナグマやキツネを除き、殆んどニホンジカの記録になった。オスジカも頻繁に記録された。分析はこれからだが、確実に増加傾向にあるようだ。南麓の森づくりでもニホンジカの食害対策が課題となっている。自然林でも早急な食害対策が必要だ。

豊かな動物相
P1040679 P1040716 P1040720 ヒメヒミズの死体、木の実が混じったテンの糞、ネズミの毛が混じったキツネの糞など一帯の動物相は、今は豊かだ。だが、ニホンジカの食害により生態系の基盤となる植生が変化すると、生き物達の多様性が後退しかねない。

 

ゴミ回収121個 
ゴミ収集記録(調査票に対応)
ビニール紐のマーキングが新たに付けられていた。生態系や景観に悪影響があるビニール紐を使って、個人的マーキングをするのは止めよう。お願いします。

1.紙類
  (2)衛生物等 2
(5)タバコ吸殻 16
(7)紙片 17
(8)その他 紙コップ 1
2.布類
(3)切端 3
(4)その他 5
3.プラスチック類
(3)菓子容器類(飴) 13
(5)破片 10
(6)その他 ボールペン 1
5.ビニール類
(3)紐類 59
(4)破片 1
6.鉄類
(2)飲料缶類 2
8.ゴム類
(5)その他 ピッケル・キャップ 1

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2008年12月17日 (水)

富士山憲章制定10周年記念シンポジウム

12月7日(日)三島市民文化会館で開催されたふじさんネットワーク主催「富士山憲章制定10周年記念シンポジウム」に参加した。

第1部記念講演
P1040511 「富士山と世界文化遺産」静岡文化芸術大学学長の川勝平太さん。富士山世界文化遺産静岡県学術委員会委員長を務める川勝さんは、富士山は至高の芸術とし、哲学者として何故富士山は世界文化遺産にふさわしいのか、西洋と日本文化との比較から力強く説かれた。

P1040514 「世界から見た富士山」登山家で山岳環境保護団体日HAT-J代表の田部井淳子さんは、各国の最高峰と比較して、30万人を越える7月8月の登山集中、多くの人工物など富士山の特異性を指摘した。また、排泄物の持ち出しを強く提唱された。

 

第2部分科会 第2分科会の「自然と景観の保全」に参加。

P1040517 「自然と景観の保全」の現状と課題を進行役の富士山ネットワーク副会長・仁藤浪さんが説明された。

 

P1040515 「富士山の自然の森づくりの経過と課題」、「富士山エコレンジャー活動状況」、「富士山南麓における民有林整備の現状」が報告され、質疑応答がなされた。利用・環境保全についての「富士山ルール」づくりが参加者の賛同を得た。

 

第3部パネルディスカッション「美しい富士山を未来の子どもたちに・・・」 ~みんなで取り組む富士山の環境保全~

P1040629 進行役を富士常葉大学教授の山田辰美さんがつとめ、柿田川みどりのトラスト会長・漆畑信昭さん、富士山自然の森づくり理事長の仁藤浪さん、環境省箱根自然環境事務所所長の曽宮和夫さんがパネリストとして登壇した。富士山の自然の森づくり10年の経験・知見を踏まえた「人工林の手法ではなく、富士山の自然生態系にあった森づくりをすべき」「イベント・タイプの森づくりは控えよう」といった仁藤さんの提言に共感した。

 

P1040641 最後は、ふじさんネットワーク会長、静岡大学名誉教授の土隆一さんが、これからの富士山環境保全のさらなる取り組みを確認された。

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活動報告 08-25 西臼塚・富士山ふれあいの森

活動日・時間 2008年(平成20年)12月6日(土)13:00 - 15:30 
活動区域 西臼塚駐車場、富士山ふれあいの森
天候 晴れ 参考: 山頂 気温 -19.4゜C、湿度52%、624.6hPa(14時)

12月になると
Imgp3607 標高約1200mの西臼塚周辺の落ち葉は霜で美しく装われる(8時ごろ)。



 

西臼塚・富士山ふれあいの森
P1040363 奇石博物館発行の「富士山自然の小径 西臼塚 -自然観察ガイドブック-」を片手に歩いた。植生を中心にしたガイドブックは、楽しい自然観察の友。平成11年に発行され、現在では絶版になったそうで、今回は博物館からお借りした。

 

ブナ広場
P1040389 P1040395 だれもいないブナ広場は広々としている。ブナの大木には、数多くの実がついている。10月に西臼塚のカエデ広場では、ブナの実が音をたてて落ちていた。1本1本のブナの木にも多様性があるらしい。そういえば、一口にブナといっても、葉の大きさは、地理的変異を示すことが知られている。葉の面積は、南から北へ、また、太平洋側から日本海側へ向かうにつれ連続的に大きくなる。

 

ウラジロモミの除伐
P1040432 およそ60年生のウラジロモミが列状に伐られていた。林内が明るい。やがてこのウラジロモミ人工林は、針広混交林へと変わり、生物相の豊かな森になっていくのだろう。

 

  

自然観察路の荒廃
P1040374 P1040424 自然観察路の表土が雨水などによって流され水路となっている。この状態のまま放置されると、さらに侵食がすすむ恐れがある。土壌が流出し、丸太階段が浮き上がっている箇所も多い。豊かな自然を体験できるネイチャー・トレイルを大切にしたい。

 

夕刻の富士山
P1040494 水が塚から見た夕日をあびた富士山。午前中の雲が霧氷の森をつくった。豊かな自然環境と美しい景観を孫達にも体感してほしい。



  

ゴミ回収 28個  ゴミ収集記録(調査票に対応)

1.紙類
(1)食品パツク類 1
(5)タバコ吸殻 1
3.プラスチック類
(2)弁当関係類 1
(3)菓子容器類 3
(5)破片 9
(6)その他 カイロ袋 4
5.ビニール類
(2)袋類 2
(3)紐類 3
6.鉄類
(2)飲料缶 1

7.ガラス類
(1)飲料ビン 3

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