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2008年8月 2日 (土)

富士山は歩いて登ろう!

昨年から、富士山御殿場口のブルドーザー道を、荷物室を乗り合いバスのように改造したブルドーザーに乗って登山している人たちを度々目にする。

Imgp0125_2Imgp0126_2P1070179_2

  多いときには、2台のブルドーザーに人を満載して運んでいる。昨年は200人を超える人たちがブルドーザーを使って富士山に登ったと言われている。

 

「富士山の運搬用ブルドーザーは資材運搬用とされ、人命救助で緊急避難的な場合を除けば、ブルドーザーによる人の運送は認められていない」と行政関係者の指摘があった。

 

登山者の安全

富士山でのブルドーザーによる運搬は常に危険と隣り合わせだ。

P1070354_2 実際、昨年7月31日、須走口本6合目付近のブルドーザー道から下の登山道にブルドーザーが転落横転した運転手は重傷を負った。登山道に、たまたま登山者がいなくて、この事故に遭遇せずにすんだ。

御殿場口では、計7箇所、登山道をブルドーザーが横切っている。交差する近辺では、同様な事故が起きて、登山者がいつ巻き込まれてもおかしくない。

富士山測候所のある剣が峰への最後の急坂(通称馬の背)の、お鉢めぐりの道をブルドーザーが行き来している。

P1070862_2 登山者は、怖くて危険な鉄柵の外に避難するありさまだ。



一般登山者やブルドーザーの乗員・乗客の安全を考えるなら、ブルドーザーによる資材運搬は必要最小限にし、ブルドーザーによる富士登山は止めよう。お願いします。

 

富士山自然環境への負荷

太郎坊を基地とする御殿場口ブルドーザー道は、5合目以上、国立公園特別保護地区ならびに特別名勝に指定された地域を通っている。この地域は、自然公園法、文化財保護法で植生など自然環境の保全保護のため、厳しく規制されている。登山した記念に小石を拾う程度のことも禁止されている。

Imgp0317_2 Imgp0369_2剣が峰への最後の急登(通称馬の背)をふくめたお鉢めぐりの道は、ひどく痛んでいる。

 

P1070861_2 昨年その痛めた部分の補修のためか、剣が峰東側の土石を重機で掘り出し、埋めている人たちがいた。

 

Imgp0325_2 剣が峰周辺の山頂には、極限環境に生息する貴重なコケ類や地衣類が確認されている。剣が峰周辺での工事は、あたりの景観を壊すだけでなく、周囲を不安定にし、極限環境に生育するコケ類や地衣類の生息環境への悪影響及ぼす恐れがある。現地で工事担当者に、「国立公園特別保護地区の土地形状変更を伴う工事許可を得ているか」と質問したが、適切な答えは無かった。

 

Imgp0318_2 その補修した馬の背は、1シーズンたてば、補修に当てた土石が流されてしまう。剣が峰東側の土石を削り取り、埋めた土石が流されるから、剣が峰周辺を取り崩しているようなものだ。

 

歩いて登る人たちへの配慮

ブルドーザーを使った富士登山をする人たちがいるという話を耳にすると、多くの登山者や登山経験者は「それは許せない。恥ずかしくないのか」と憤慨する。なぜだろう。「自分達は苦労して歩いて登っているのに、楽をして」と単純に怒っているのだろうか。他の登山者への安全や自然環境への配慮をしない身勝手さに憤りを感じているのだろうか。

夕刻、御殿場口8合目の小屋前で、ちょうど何人かの人たちが、ブルドーザーから降りてきたところに出会った。小屋前では、登頂を終え満足そうな顔をしてくつろいでいる人たちや、長い御殿場口ルートを登って汗まみれで休息している登山者がいる。其の中で、ブルドーザーから降りてきて、周囲を気にもせず、大声で話している人たちの振る舞いに、多くの登山者が違和感や不快感を顔に出していた。

 

富士山は歩いて登ろう

登山者・乗員・乗客の安全、自然環境への負荷、歩いて登る人たちへの配慮など、ブルドーザーを利用した富士登山はあまりにも影響が大きい。

静岡県、山梨県は、富士山憲章制定10周年を記念して、富士山の自然環境保全をさらに進めている。世界遺産登録を手段としてその保全に取り組もうとしている。多くの県民、国民が、かけがえの無い美しい富士山の自然環境を子供たちに残こそうと努めている。800年を越える歩いて登った歴史がある。子ども達も自分の足で一生懸命歩いて登っている。歩いて富士山に登って欲しい。 お願いします。

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コメント

あなたは何も分かっていない。
書くのは自由けどあなたの知らないこともあるとういうことを忘れずに。
頂上で仕事をする人は自力で登ったあとに仕事できるの?
じゃあ、重機での運搬をやめちゃえばいいじゃん。その代わり、トイレも山小屋での食事もとれないよ。

投稿: | 2008年8月17日 (日) 04時57分

ポルトガルからのコメントありがとうございます。UAあたりですか。
富士山へ登る方々の安全と貴重な富士山の自然環境が保たれるよう願っています。「歩いて富士山へ登ろう」ご協力お願いいたします。

投稿: 富士山エコレンジャー | 2008年8月17日 (日) 15時52分

こんにちは。

ブルドーザーに関する記事を読みました。

人間は立場や主義主張、ご都合によって意見・意識・主張もそれぞれ異なったものとなることをまずご認識ください。

貴殿がエコの観点、自然の現状維持の観点からブル登山を『良からぬもの』と断定しているのは理解できます。

ただ、本当に富士山に重機で登攀するのが悪いことなのでしょうか?

ハワイ諸島の多くの最高峰には、自家用車で山頂まで行けるように舗装路および電力供給ないし物資輸送のためのインフラが整備され、誰でも短時間のうちに山頂の素晴らしい環境を体で感じることができるよう配慮されています。
 かといって自然破壊は全くといっていいほどされておらず、行政と民間が一体となって環境保全と安全対策に尽力しています。

 富士山だけが『ありのまま』の姿でいろ、というのでしたら、ではかの昔に、測候所のレーダードームなど建設しなければ良かったのではないですか?
 ところが、貴殿も、そして貴殿のお父様、お母様、親戚の皆様方も、みなさん、富士山レーダーのおかげで遠くの台風の勢力や進行予想などの恩恵に預かってきたのではないですか?
 で、ブルの話に戻りますが、年間30万人が登頂する山にあって、自動車の舗装路などインフラが完備されていないことのほうが『おかしい』ことで、『悪いこと』だと思います。
 前述のハワイの山とまではいかないでも、ブルは、舗装路を作らなくても一度に大量の人員物資を山の上まで運ぶのに最適です。
 ブルが転落との事実もありますが、一般道における自動車事故の確率と比較するなら、ブルは『事故発生率ゼロ』にきわめて近い『安全度』なのではないでしょうか?
 そして、こうしたブルによる運搬で恩恵を受けるのは、貴殿が指摘するような『単に楽できるために利用する』人ばかりではないことも知っておくべきではないでしょうか?
 私は障害者ですが、五号目から8時間近くかけて8号目まで登攀すると、正直いって生死に係わります。
 ですが、自動車やブルなどで八合目まで『体力を温存しながら』行くことができるなら、残りの3時間で山頂まで行くことは苦ではありません。
 富士山はその昔から修験道の場としても知られる霊山であり、その山頂部分を中心として、誰にも支配されない『神の場所』として認識されています。実際には土地の所有は浅間神社様ですが、では、こうした神聖な地へ参拝に行くために、貴殿は『障害者がブルで行くこと』は『悪いこと』だから、徒歩で登れ、と言い続けるのでしょうか?
 世の中にはひとつの事象でも、見る角度によってさまざまな意味があり、一言で良い、悪い、を断定することはできません。
 また、何事も、0か100か? 真っ白か真っ黒か? という判断は、多くの場合間違っていて、実際には、グレーという色もあり、濃いグレーや薄いグレーもあること、36や78といった中間の数値も存在することを、ご精査のうえ、こうしたブログという公開性のあるメディアにおいてはぜひとも上記につき遺漏なきようお願いいたします。

 このままですと、当該記事は、貴殿が『エコレンジャー』という役職や立場における優位性をカサに、自らの『公平性に欠ける視点』を不特定多数の民衆に『押し付けている』ように見えます。

 末筆ではございますが、エコレンジャー様のご健勝とご多幸を祈念しましてごあいさつに代えさせていただきます。

投稿: 轟 又造 | 2009年7月15日 (水) 14時51分

轟さま、
コメントありがとうございます。富士山では、登山道とブルトーザー道とが一緒になっている所が何箇所かあります。そこで、「危ない」と思った体験が、きっかけです。厳しい自然環境の富士山で、登山者のみなさま、ブルドーザー運転者の方々の安全をこころから願っています。

投稿: 富士山エコレンジャー | 2009年7月15日 (水) 19時35分

山岳業界にいる者です

富士山のブルドーザーの道は富士山レーダーを契機に出来たといいますね。その役目は今は終わっています。


三ッ峠や金時山から富士山を見てもあの雪を抱いた日本のシンボルである富士山に縦横無尽に走るギザギザのラインであるブル道は自然ではない異質以外何者でもありません。

「何も分かっていない」というのはまさに現在の「自然を食い物にしてきた」人間のおごりの言葉そのものでしょう。

ブルでしか登れないなら、登るために人間がトレーニングなり、山の経験などを行い、しっかりと準備して登ればいい。その方かがより大きな感動が得られるのだから。
それでも登れないなら何もそこまでして登る必要はない。見ているだけで十分美しいのだから。

マウナケアは私も頂上まで行ったことはありますが、あの山は山全体がもっとなだらかなため全体にインパクトが少なく、加えて現在も宇宙研究の最重要拠点となっているからです。


まあ、ブル道がある限り、富士山の世界遺産登録は到底ムリでしょう。

投稿: kaz | 2010年11月22日 (月) 08時43分

kaz様
コメントありがとうございます。ご指摘いただいたように、日本の代表的国立公園のあり方について、もっともっと議論が必要だと思います。

投稿: 富士山エコレンジャー | 2010年11月24日 (水) 22時23分

実際のところ、業務ではなくレジャー目的の場合でもコネクションやお金次第でそのようなことがまかり通る状態なのでしょうか?

投稿: N | 2011年2月13日 (日) 00時25分

>頂上で仕事をする人は自力で登ったあとに仕事できるの?

一泊して翌日から仕事をすれば問題ないと思います。
ブルドーザーによる人の運送は認められていないのですから、コストは利用者や発注者が負担すべきものと考えます。


>じゃあ、重機での運搬をやめちゃえばいいじゃん。その代わり、トイレも山小屋での食事もとれないよ。

そんな極論を言っても仕方がないのでは?
(認められていない)ブルドーザーによる富士登山は止めようとは書いてありますが、資材運搬は資材運搬は必要最小限にと書いてあるだけではありませんか。

投稿: | 2011年2月24日 (木) 11時52分

>ただ、本当に富士山に重機で登攀するのが悪いことなのでしょうか?

悪いことでしょう、ブルドーザーによる人の運送は認められていないのですから。

投稿: | 2011年2月24日 (木) 11時55分

つねづね富士山に登ると必ずと言っていいほどに目にするブルドーザー。
つい先日も富士山にいきましたが、あまりにもひどい状況です。常に2~3時間ごとに1台ぐらいのわりあいで登ってきます。あまりにも台数が多すぎではないでしょうか。確実に2~3年前にくらべて増えてきています。
おまけに、登山道の途中に平然と車を止めているのです。一般車はもちろん進入禁止です。すぐに立ち去るのなら問題もないでしょうが、何時間もそこに置きっぱなしの状態。見渡す限りでは工事関係者は見当たりません。ちゃっかりと登山道保全関係車両がはってはありますが、あまりにも関係者のモラルが疑われます。
シーズン直前ということもあるでしょうが、頂上に異常に林立する山小屋同様、利益優先では、これでは絶対、世界遺産なんて無理のはずです。

投稿: | 2012年7月 4日 (水) 18時56分

ハワイでは、こんな動きもあったんですね。「巨大望遠鏡計画に“待った”」

http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2016_0217.html

投稿: | 2016年2月17日 (水) 20時48分

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